助産師を目指している学生にとって、助産師になるための費用がどれくらいかかるのか、とても気になるところではないでしょうか。
助産師になるためには、最低4年はかかります。
また、助産師学校も、大学か専門学校か、私立か公立かによって費用は大幅にかわってきます。
看護師から助産師を目指す方は働きながらでも助産師の資格が取れるのかも気になりますよね。
そこで今回は、助産師学校の費用面や資格の取り方について徹底解説していきます。
助産師の資格は働きながらでも取れる?
看護師として働きながら、助産師学校に通うことは可能なのでしょうか。
助産師学校の授業は朝から夕方までびっしり入っています。
授業のほか、グループワークや宿題、実習の準備などやることがたくさん。
1年で、助産師の基礎を学び、実習の中で10例の分娩につかなければなりませんので、カリキュラムはぎっしりです。
とても働きながら行ける状況ではないでしょう。
もし、勤務する病院に進学するための休職制度があるなら、利用してみてはいかがでしょうか。
助産師の受験資格は何歳まで?
助産師になるうえで、特に年齢制限はありません。
ただし、助産師になるには、実習中に実際に10例の分娩介助をこなす必要があります。
母子の命を預かるわけですから、生半可な気持ちでは実習はこなせません。
実習先によっては、24時間待機の病院もありますので、体力がなければ乗り越えることは難しいでしょう。
反対に言えば、この実習に耐えられる精神力と体力さえあれば、何歳でも可能ということです。
助産師の資格の難易度はどれくらい?
助産師の国家試験の難易度はそれほど高くはありません。
過去5年の合格率をご紹介いたします。
2021年助産師国家試験合格率…99.6%
2020年助産師国家試験合格率…99.4%
2019年助産師国家試験合格率…99.6%
2018年助産師国家試験合格率…98.3%
2017年助産師国家試験合格率…93%
いずれも90%以上と合格率はとても高いことがわかります。
助産師養成学校で基本的な助産師に必要な科目をしっかり学習し、実習で学びを深めればそれほど難しいというわけではないでしょう。
助産師になるには費用はいくらかかる?
助産師になるには、いくつかのルートがあります。
まず大前提として、看護師の資格を取得しているということ。
それから、助産師学校に1年行くか、助産師過程のある大学に編入するかという方法があります。
初めから、助産過程のある大学を受験することできます。
助産師学校はほとんどが1年制であり、学費はおおよそ100万~250万程度です。
助産師過程のある公立の看護大学の学費は4年間でおおよそ250万~800万と、私立、公立、県立で大きな差があります。
大学に編入の場合は3年次、4年次と2年行くことになりますので、大学にかかる費用の約半分とみておいた方がいいでしょう。
このほかに、実習先が遠い場合は、その旅費や宿泊費、アパートを借りる場合はその賃貸料などもかかってきますので、注意が必要です。
ちなみに私は、看護専門学校を卒業し、看護師国家試験に合格してから地元の看護県立大学の3年次に編入、助産師学生選考試験を受け助産師過程を履修し、国家試験に臨みました。
学費は、地元の大学ということで学費の半額免除、そして勤務していた病院から、奨学金を頂いていたので、ほとんどそれで賄うことができました。
どこの大学や専門学校を目指すかによって、かなり金額は変わってきます。
奨学金制度などを上手に活用し、費用を抑えることをおすすめします!
助産師のあるある話や裏話に関してこちらの記事では暴露していますのでぜひご覧ください。
最短で助産師になるには
助産師として早く現場に出て働きたい!という方のために、最短で助産師になるための方法を紹介します。
その方法は2つあり、最短4年で助産師として現場に出る事が可能です。
1つ目は4年制看護大学で、看護師、助産師国家資格の同時受験をする方法、
2つ目は3年制の短大、もしくは看護専門学校を卒業して看護師の資格を取得したのちに、助産師養成学校を受験して入学し、助産師資格を目指すという方法です。
助産師になるためには、看護師の資格が大前提です。
どちらの方法にしても助産師の基礎となる看護師の勉強をする必要がありますので、険しい道のりになることは間違いないでしょう。
助産師は男性でもなれる?
男性は助産師にはなれません。
助産師の仕事は、子どもを産み育てる女性の一生を通したライフスタイルの支援です。
狭義の意味では、妊娠、出産、産後のサポートとなるので、妊娠中、産後の保健指導、新生児のケア、乳房ケアなどその仕事内容は多岐にわたります。
特に乳房ケアは、男性にはない未知の世界ですし、プライベートゾーンでもあるので男性がケアをすることに非常に抵抗を感じる産婦さんがほとんどでしょう。
保健師助産師看護師法では、助産師は女性しかなれないことが明記されています。
産科領域に関わっていいのは産婦人科医のみということになります。
助産師にできること、できないこととは
助産師は、正常分娩でのみ自分の判断で分娩介助、保健指導、妊婦健診を行うことが出来ます。
開業権もあるため、自分で妊娠期から産後まで一貫した有床助産所をつくることも可能です。
一方で異常分娩に関しては、医師の指示に従う必要がありますので、自己判断でケアをしてはいけません。
つまり、会陰切開、帝王切開、促進剤の使用などの医療行為は禁止されています。
開業でも、必ず委託医や連携病院が必要となってくることを忘れないでください。
その他にも、合併症がある妊婦さんや帝王切開の既往のある妊婦さん、不妊治療で妊娠された妊婦さんに関しては助産所ではケアが出来ません。
助産師の実習はきつい?
助産師の実習は非常にきついです。
実習病院にもよりますが、分娩はいつおこるかわかりませんので、24時間待機実習というところがほとんどではないでしょうか。
もちろん日中のみの分娩介助しかしないというところもあります。
しかし、限られた時間の中で10例の分娩介助、保健指導を行わなければいけないので、記録物を含め、分娩の振り返り、保健指導企画書の作成や実施など目まぐるしく、非常にきつい実習と言えます。
赤ちゃんと母親のいのちを預かるのですから、それくらい厳しくないといけないのかもしれません。
助産師に向いてない人の特徴は
助産師に向いていない人の特徴は、責任感がない人でしょう。
助産師は、赤ちゃんと母親2人の命を預かっており、自分の判断で子どもの一生を決めてしまうかもしれない非常に重要な職業です。
生半可の気持ちでつくべきではないですし、責任感のない助産師はいつか必ず大きな事故を起こしてしまいます。
小さな異常を見過ごしたり、報告しなかったりすると、それが取り返しのつかないことにつながりますので、助産師としての適性はしっかりと見極めた方がよさそうです。
助産師に向いている人とは
助産師は、母子の命を預かる重要な仕事であるので、責任感が強いということは大前提です。
責任をもって、最後まで無事に出産に立ち会い、命の誕生をサポートする、その心意気がないと助産師という仕事は務まりません。
また、助産師は命の誕生という喜ばしい場面だけではありません。
中期中絶や死産などのつらいお産にも立ち会わねばならず、産科は生と死が混在する唯一の場所です。
精神的にバランスを崩す助産師もいて、現場を去る人も少なからずいます。
辛くても、一つの命に真摯に向き合うことのできる強い精神力も求められるでしょう。
そして、産婦やその家族と一生懸命向き合い、支え、見守ることのできる優しさ、思いやり、強さも必要になってきます。
未経験の主婦が助産師になるには
未経験の主婦が助産師になるには、まず看護学校を受験しなければなりません。
今まで医療関係の職業経験のない方には看護、助産は全くの未知の世界だと思います。
看護はたくさんの専門用語もでてきますし、身体のつくりやそれぞれの臓器の役割など覚えなければならないことがたくさんあります。
レポートや学内、学外実習などやることが山積みです。
看護師の国家試験勉強と同時に、助産師学校の受験、合格して入学してからは、さらに厳しい1年がまっています。
一人の力では絶対にできませんので、家族のサポートが必要になります。
私の看護学校の同期には子供を産んで、その出産がきっかけで助産師を目指した人がいました。
まだ子どもが1歳にもなっていない時点での看護学校入学。
家族のサポートがないと、決して出来ることではありません。
乳飲み子を抱えながら、レポート、実習の毎日。
毎日笑顔で頑張っていましたが、かなり努力したに違いありません。
その友人は今では地域の開業助産師です。
未経験でも、自分の努力次第で必ず道は開けます。
けれど、そこには周囲の方のサポートがあることを忘れないでください。
助産師になることをあきらめないで
命の誕生をサポートする助産師は、この先もずっとなくてはならない職業です。
もし、助産師になりたいと思ったら、自分がどんな状況に置かれていたとしても決して諦めないでください。
確かに道のりは厳しいですが、諦めずに道を模索していくときっと道は開けるでしょう。