これから看護師の資格を取ろうと考えている人は、正看護師と准看護師どちらにしようか迷うのではないでしょうか?
実は、この2つの資格を比較すると、仕事内容も変わってくるだけではなく年収にも違いがあるのをご存じですか?
今回は、准看護師の年収について正看護師との違いをご紹介したいと思います。
准看護師の給料や年収はいくら?
准看護師のお金事情についてご紹介します。
准看護師の平均年収は約349万円で、多職種との平均年収を比較するとかなり低めに設定されています。
月収にすると平均29万円、初任給は19万円程度となっています。
この平均年収は准看護師1年目からベテランまでの合算した平均なので、経験年数によってばらつきがあるのはわかると思いますが、平均してこの金額は少ない気がしますね。
ただ、勤務先や経験年数、スキルによってかなり差があるのが事実なので、給料のいいところや地域、准看護師であろうと必要とされるスキルがあればおのずと給料は高くなってくるでしょう。
准看護師と正看護師の違いとは?
ところで、准看護師と正看護師の正確な違いをご存じでしょうか?
まずは准看護師がどのような仕事をするのかご紹介します。
准看護師は都道府県知事発行の免許であり、看護師や医師の指示にそって看護や診療の補助を行います。
医療機関や介護施設など様々な場所で活動しています。
正看護師は厚生労働大臣が発行する免許で、国家資格となるため試験の難易度も高くなります。
基本的には、仕事内容は同じですが、正看護師との違いについて重要なのは、誰の指示で仕事が出来るかという点でしょう。
正看護師は医師の指示のもと看護や診療の補助を行いますが、准看護師は、自らの判断では業務を行うことができません。
これが最も大きな違いでしょう。
これらのことから、准看護師がスキルアップして何らかの役職につくというのは極めて難しいでしょう。
また、教育についても少々異なってきます。
正看護師は、高校卒業が必須条件ですが、准看護師は中学卒業程度の資格で看護学校に入学することができます。
教育時間も異なり、正看護師は3~4年過程で3000時間以上の履修と1035時間以上の実習が必要になってきます。
しかし、准看護師は2年過程で1890時間以上の履修と735時間以上の実習で可能なのです。
よって、准看護師の方が目指しやすい状況にはあるでしょう。
何らかの事情で、正看護師になる時間も金銭的にも問題がある場合は、准看護師を目指してから、正看護師の資格を取得するということも可能です。
准看護師はなくなるって本当?
ずいぶん昔から、准看護師と正看護師を看護師資格として一本化しようという動きが全国であります。
看護職は非常に専門性のたかい職業なので、教育の段階で差をつけるべきではないということ、准看護師と看護師の待遇差をなくそうという目的によるものです。
いずれは看護職一本化になるのかもしれませんが、現在働いている准看護師に対してどのような対応をとるのか、看護師不足がさらに進むのではないのか懸念が残されているため何らかのサポートや猶予期間などはあるでしょう。
准看護師は働きながらでも資格取得ができるため、多職種で働いている方からも非常に人気の高い職業になっています。
すぐに准看護師がなくなるというようなことはないのではないでしょうか。
准看護師の試験は難しい?
准看護師の試験は都道府県知事の認定によるものなので国家資格ではありません。
先述した学習時間や実習時間の差からも、看護師よりもかなり難易度は低いといえるでしょう。
だからといって、勉強をせずに試験に合格するといったことは決してできません。
授業や実習を真面目にこなし、レポートを作成し、試験対策をしていれば、合格することは出来るでしょう。
合格率も、96~98%を推移していますので、しっかり取り組むことができれば問題ありません。
准看護師から正看護師になるには
准看護師の資格を取得したのち、正看護師になることは可能です。
これにはいくつかのルートがあるのでご紹介したいと思います。
①高等学校専攻科、看護短期大学、看護養成所で2年間もしくは3年間看護について学び国家試験を受ける。(定時制)
②准看護師の資格取得後は、経験10年(120ヶ月以上)業務に従事し、看護短期大学、看護養成所で2年学び国家試験を受ける。(通信制)
いずれにしても中学卒業の准看護師は3年以上の経験年数が必要になってきます。
准看護師をしていて、スキルアップを目指したいと思ったらぜひ、看護師に挑戦してみてください。
准看護師も看護師も人のいのちを扱う重要な仕事
准看護師と看護師は教育面や学歴で給料や待遇面で差があることはどうしても否めません。
しかし、何よりも重要なことは、どちらも人のいのちを扱う重要な仕事だということです。
看護職として恥ずべき行動はしてはいけませんし、責任もって仕事をする必要があります。
准看護師だから、看護師だから、ではなく、これらのことをしっかり頭に入れて目の前の患者さんに真摯に向き合ってくださいね。