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舞台技術スタッフ・舞台美術はきつい?必要な資格や給料や年収、実際の口コミや評判とは!

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舞台美術はきつい 芸能/メディア
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舞台技術スタッフのなかでも、舞台美術さんってどんな仕事をしている人でしょうか。

ここでは、

舞台美術スタッフの一日の仕事内容。

舞台美術スタッフになるためにはどんなことが必要なのか。

どれぐらいの収入が得られるのか。

どんなときにやりがいを感じて、どんなときがきついと感じるのか。

などなど、あなたの「気になる!」を、詳しくまとめてみました。

 

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舞台技術スタッフ・舞台美術の仕事内容や1日の流れについて

 

ここでは【演劇公演の劇場入り1日目】の仕込みの様子をご紹介します。

 

朝9時

トラックに積まれた大道具を劇場内に搬入します。

搬入が終わるとスタッフが集合して打合せを行います。

舞台美術チーフは、図面を見ながら建て込みの手順、パーツの組み立て方などを

他の仕込みスタッフに説明します。

今日は、日本家屋の和室と中庭のセットを建て込みます。

仕込みは、照明や音響スタッフも同時進行で行われます。

それぞれのセクションがスムーズに仕込みができるように、各セクション間での打ち合わせも重要です。

特に、照明スタッフとの連携は大事です。

背の高い舞台セットを先に建ててしまうと照明バトンが降ろせなくなってしまうからです。

お互いに声をかけあいながら危険のないように建て込みます。

まず、舞台床全体にパンチカーペットを敷きます。

次に美術バトンからワイヤーで吊る、梁のパーツなど【吊りもの】から先に仕込んでいきます。

そして、照明バトンの作業が終了した部分から順番に、畳を敷いたり柱をたてたり、壁になるパネルをたてていきます。

工房で作ってきたパーツが現場でうまく組み合わせられない場合は、その場でのこぎりでカットしたり微調整することもあります。

一見、大工さんのような作業です。

 

12時半

照明スタッフはお昼休憩に入りましたが、舞台スタッフは小休憩のみをとって、もう少し作業を続けます。

14時にようやく形になり、お昼休憩に入れました。

しばらくは、【照明シュート】の時間です。

シュートとは、照明スタッフが照明の角度やピントをひとつひとつ調整していく作業です。

シュート中は舞台上が薄暗く、作業ができません。

ゆっくりとお昼休憩をとります。

 

16時

シュートが終わりようやく舞台上が明るくなりました。

音響スタッフがマイクチェックする大きな音を聞きながら、細かい装飾作業を再開します。

家の中の飾り込み、中庭部分を作り込みます。

家具類や小道具類も舞台上に配置します。

今日は19時から舞台稽古があり、役者さんたちが舞台上に入ってきます。

役者さんが安全に動けるように、舞台裏を安全に整備することも大切です。

 

19~21時

稽古の間は、客席から稽古を見学して、手直し作業の準備をします。

稽古が終わると、ラスト1時間で色直し作業です。

客席から見て不自然に見えた場所に、自然な汚しの色を加えたり、照明が当たったときの見え方を踏まえて、塗料で修正作業をします。

塗料を塗る作業は乾燥時間がかかるため、退館前でないと作業できません。

この一時間で仕上げられるか勝負の時間です。

 

22時

スタッフ全員退館です。

お疲れ様でした!

 

舞台技術スタッフ・舞台美術に必要な資格や条件は

 

舞台美術スタッフとして働くのに、この資格を取らないとなれない、というようなものは特にありません。

資格がなくても経験と知識を積めば誰でも舞台美術の仕事をすることができます。

もちろん芸術大学や専門学校でデザインを勉強する方法も有効です。

しかし、業界には未経験から飛び込んで現場で学んだ先輩がたくさんいます。

舞台が好きだという気持ちとある程度の体力があれば続けられます。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術は正直きつい?

 

まず最初にきついと感じるのは体力面だと思います。

大きくて長くて重いものを運んだり、広大な面積に色を塗ったり、基本的に身体を動かす作業です。

納期がせまっていたり、直前で寸法の変更が入ったりすると残業も増えます。

加えて劇場で仕込みに入ると拘束時間が非常に長くなります。

若いころは平気でも、年齢を重ねると基礎体力や筋肉をつけておかないと非常にきついです。

また、デザイナーの立場になって一番きついと感じるのは、くるくる変わる演出に振り回される点です。

舞台は総合芸術であり、常に変化する生き物のようなものなので、毎日変更点が出てくることはざらにあります。

それに対して、その都度、最善のプランを提案するクリエイティブな引き出しと、フットワークの軽さが重要です。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術の給料や年収はいくら?

 

舞台スタッフの仕事は、残念ながら「稼げる」職業ではありません。

その仕事量と拘束時間を考えると「やりがいの搾取」と感じられるかもしれません。

所属する会社によっては安定した収入が得られるでしょうが、地域差もかなり大きいです。

月収は20万~30万程度と考えておいたほうがよいでしょう。

また、コロナウイルス感染症の影響を一番最初に受けた業界でもあります。

どの会社も売り上げは落ち込み、減給と助成金でなんとかつないでいる会社もあります。

ちなみに、フリーランスとして働いている人もいます。

フリーランスのデザイナーの場合は、ひとつひとつの現場でデザイン料をいくらとれるかで収入が変わります。

たいていの場合は、クライアント側はざっくりとした見積もりを提示して、「デザイン料と大道具の製作費用を込み込みで200万でお願いします」というような発注の仕方をしてくることが多いからです。

壮大なデザインをすれば、その分製作費用がかさんでしまい、デザイン料を削らざるを得ない、ということもでてくるわけです。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術に向いてる人向いていない人は

 

舞台美術に限らず、舞台にかかわるスタッフの仕事は、あまり真面目すぎる人は向いていません。

もちろんコツコツと根気強く作業をすることも多いので、黙々と仕事ができる人は大歓迎ですが、基本的に真面目すぎない人が向いています。

苦境にたたされても、そのなかで楽しめる人、面白がれる人、面白いことを発見できる人、柔軟な考えができる人が長く続けている印象です。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術の実際の口コミや評判とは

 

舞台美術で一番うれしいのは、観客からではなく、演出家やパフォーマー、照明家からの評価です。

なぜなら、お客さんはお芝居やパフォーマンスを観に来ているのであって、舞台美術やスタッフワークを観にきているのではありません。

あまりに舞台美術が派手でお客さんの印象に強く残ったとしたら、そのときは「でしゃばりすぎだった」ということになります。

なので、あまり一般の人から評価されることはありませんが、演出家をはじめクライアントさんが満足してくれる仕事をすれば、かならず「また次も是非お願いします」と言ってくださいます。

ちなみに、生活の不規則・拘束時間のわりに低収入という面から、家族からの理解を得るのは非常に難しい職業かもしれません。

しかし子供達からは「お母さんの仕事はいつも遊んでるみたいで面白そう」と言われます。

なかなか周囲の人には理解してもらいにくい仕事ですが、子供たちの感想が一番この仕事の本質をついているのかなあ、と私は思っています。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術のやりがいについて

 

音楽イベントから演劇、バレエ、オペラ等の舞台を支える舞台美術の仕事は、ルーティーンワークのようなものがまったくありません。

演目が変われば舞台も変わり、劇場が変わればセットも変わり、演出家が変わればデザインも変わるので、毎日がクリエイティブです。

また、同じ舞台美術をステージに建てこんでも、照明によってまったく違う雰囲気や表情をみせてくれます。

同じ舞台美術でも、パフォーマーさんの動きひとつで様々に遊んでもらえるので、ちがった見え方をしてきます。

演出家の要望は、ときに無理難題であったり、ときに理解不能であったりもしますが、スタッフも作品を読みこんで理解を深めたうえでデザインを提案します。

すると、そのデザインを生かして新しく演出がついていったりします。

さらに、照明プランナーがまた新しい切り口から舞台を照らすと、演出家のインスピレーションが膨らみ、新たな美術の要望などが出てくる…といったように、舞台は常に変化する生き物なので、毎日が刺激的でやりがいがあります。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術の将来性について

 

最初は経験を積むために、さまざまな現場を見ることが重要です。

自分の身体を動かし、手を動かすことで多くの技術を学べます。

最終的には皆さんプランナーを目指すと思いますが、どんな小さな現場でも一度プランを経験することで、見える世界や見え方がガラッと変わると思います。

今までインプットし続けてきたものを、今度はどのようにアウトプットしていくか、という段階にくると舞台美術や舞台芸術の面白さが一段と実感できます。

小さな現場や地方では、プランナーであっても、材料の発注から大道具製作から現場での建てこみまで、すべてを兼任する場合があります。

デザインの勉強だけでなく、基本的な道具のこと、材料・素材のこと、作業効率のことなど現場で着実に身に着けていくことをおススメします。

 

舞台美術スタッフは「好きこそものの上手なれ」

 

この業界には、舞台芸術が好きな人がたくさん集まっています。

美術が好きな人、オペラが好きな人、演劇が好きな人、などとにかく「好き」の気持ちをたくさん持って飛び込んでくる人ばかりです。

だからこそ、特別な資格がなくても、活躍しているスタッフがたくさんいるのです。

「好きこそものの上手なれ」の世界なのです。

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