舞台技術スタッフ・舞台美術はきつい?辞めたい理由や乗り越える方法や対策とは

舞台美術はきつい?辞めたい 芸能/メディア

 

舞台美術スタッフの仕事って、とても自由で楽しそうな仕事だけど、実際にイベントや舞台の仕事ってブラックそう…と思ったことありませんか?

どんな仕事にも、きつい部分というのはありますが、舞台美術の仕事できついところや、辞めたくなる時など、実際に働いてみて直面するさまざまなことについて、包み隠さずご紹介します。

加えて、それらをどうやって乗り越えたらいいのかもお話したいと思います。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術はきつい?

 

舞台美術の仕事がきついな、と思ったことはわたしも実際にあります。

幸いにも、精神的な部分できついと感じることは少なく、どちらかというと金銭的な部分と、体力的な部分できついなと感じることが多い気がします。

まず、フリーランスでこの仕事をしている場合と、会社に所属してこの仕事をしている場合では、少し状況が違いますので、両者の立場のお話をします。

フリーランスで仕事をしている場合は、ひとつひとつの現場がそのまま収入源になりますので、自分で営業をかけて仕事をたくさんとってこないといけません。

しかし、演出家やプロデューサーに気に入ってもらえると確実に次の仕事につながるのがフリーランスの強みでもあります。

名前が売れてくれば、デザイン料の単価もあがってきます。

しかし、デザイン料の単価を上げるということはなかなか簡単なことではありません。

最初のころは、アシスタントの人件費だけで自分の給料がとんでいってしまい毎回赤字状態が続くこともしばしばです。

大きな仕事を月に何本も任せてもらえるようになるまでが、非常にきついと感じます。

フリーランスで、まだアシスタント業務だけの場合は、現場でチーフにお金が入れば、給料はきちんと払ってもらえますが、かなりこき使われるので体力がないと続きません。

また、チーフが繁忙期になると拘束時間も非常に長くなるので、シャワーを浴びて数時間仮眠をとってまた出勤、という状態が続くこともありました。

ひどいときは、「〇日から〇日まで3日間あけといて。」とだけ言われ、一日ごとに家に帰れると思っていたら、実際は遠くの作業場に泊まり込みでエンドレス作業だったことがあります。

会社に所属している場合は、もう少し安定しているといえるでしょう。

しかし会社の場合でも繁忙期は確実に休みがなく、拘束時間も多くなります。

特に舞台業界の勤務は、月ごとに休日数が決められているのではなく、一年の平均値で計算されるところが多いので、極端に休みが多い月があったり、3ヶ月働きづめだったり、アップダウンが激しい傾向があります。

わたしも、休みがとれる月には、ダラダラするのではなく、基礎体力が落ちないようにトレーニングしたりして繁忙期に備えています。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術はブラックが多い?

 

完全にブラックとは言いませんが、ホワイトではなさそうです。

基本的に舞台業界は拘束時間が長いので、通常の企業での働き方とはまったく違います。

通常の仕事の人が、例えば、8時間働いて、1時間残業して、15時間休む。

また翌日8時間働いて、16時間休む。

というサイクルで週5日働いていると仮定します。

舞台業界の場合は、金・土・日は12時間働いて、12時間休むサイクル。

月・火はまるまる休み。

そして翌水曜は4時間だけ働いて20時間は休み。

というように、不規則がデフォルトです。

毎週毎週ばらばらで、さらに残業という概念があまりありません。

12時間とおしで働いても、8時間通常勤務、4時間は残業、とはならないのが普通です。

会社に所属していてもそのような状態が普通なので、フリーランスの場合はもっと不規則だと思います。

また昨今は、コロナウイルスの感染防止対策に振り回されて、業界全体が大きな打撃を受けている状況です。

イベントの開催・延期・中止はそのときの政策に強く影響されることもあります。

いつ幕が開いても良い状態まで準備できたのに、急に公演中止になることも珍しいことではなくなりました。

そのような状況なので、不規則っぷりにも輪がかかり、実際に給料にも影響が出ています。

減給を余儀なくされた会社、助成金でなんとかつないでいる会社など状況はさまざまですが、現在舞台業界全体が厳しい状況であることは変わりありません。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術を辞めたいと思う3つの原因とは

 

舞台美術スタッフを長いこと続けていると、周囲に離職していく仲間もたくさん見ました。

この仕事を辞めたい、と思う原因はざっと以下の3つに集約されると思います。

 

①あまり稼げない/給料が安い。

②ライフワークバランスがとりにくい。

③体力が続かない。

 

順番にひとつずつお話していきます。

まず第一に「あまり稼げない/給料が安い」が挙げられます。

基本的に舞台美術というセクションは舞台の中でも一番費用がかかるセクションで、儲けを出すのが難しい部分でもあります。

フリーランスで仕事をしている人は、かなり単価を叩かれて「技術の搾取」状態になっている現場をよくみます。

アシスタントさんへの人件費だけでお金がとんでいってしまうような期間が長いと、辞めたくなる気持ちも非常にわかります。

会社に勤めている場合は、会社の規模にもよりますが、仕事量に比べてもらえる給料は低く、特に地方の会社や小・中規模の会社は一般の職業と比べても賃金が低い傾向があります。

給料がいいのは、一握りの大規模な会社だけと思っておいて間違いないでしょう。

次に「ライフワークバランスがとりにくい。」点です。

家族がいたりするとなかなか厳しい問題になってきます。

不規則なのが当たり前で、土日の休みはなかなかありません。

現場とかさなって子供の運動会が見れなかった、などということは日常的によく聞かれます。

特に女性は、出産子育てを機に離職する人が大変多いのが現状です。

わたしは現在のところ、なんとか家族の理解とサポートで続けられていますが、家事育児と仕事の両立は非常に厳しい職業だとは常日頃感じます。

3番目は「体力が続かない。」です。

基本的に不規則なうえ、繁忙期の休めなさといったらお墨付きです。

若い頃はなんとかなっていても、年齢を重ねるにつれて、しんどいな~と思う機会が増えてきます。

どうしても、健康と規則正しい生活、というのはセットになっているので、続けたい思いがあっても体調を崩してしまってそのまま辞めてしまった仲間もいました。

体力維持と体調管理は非常に大切だと痛感します。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術はやめとけ?

 

上記で紹介したとおり、給料が安く、ライフワークバランスがとりにくい職業です。

もしデザイナーとして有名になってお金を稼ごうと思ったら、かなり多くの犠牲と、かなり多くの苦しい期間を通る必要があります。

そもそも、「稼ぐ」ということを第一の目的にすると、苦難の連続かもしれません。

基本的に「好きなことを仕事にしたい」と考える人たちの集まりなので、「好き」という気持ちに自信がもてない人にはおすすめできません。

安定した生活や安定した給料を求めるのであれば、本当にやめておいたほうが良い業界です。

 

舞台技術スタッフ・舞台美術を辞めたい時の対策や乗り越える方法とは

 

辞めたいと思う時期は、たいてい忙しくて忙しくて仕事がまわらない時期です。

身体も限界だし心も疲れてしまっているときだと思います。

わたしも経験しましたが、そういう時期は「仕事をこなす」ということに精一杯で、「作品をよくしよう」とか「もっとこうしたら面白い」などという気持ちを忘れてしまいがちです。

それは、ひとつひとつの現場や作品に対して、丁寧に向き合う時間がとれなくなってしまっている証拠です。

もし、辞めたい気持ちが出てきたときは、仕事量をセーブできる方法を考えましょう。

フリーランスであれば、受ける仕事の量をすこし減らせるならば、少し減らしてみることをおススメします。

もう少し落ち着いてひとつひとつの現場に向き合える時間をつくると、ただこなすだけの仕事になってしまっていた事に気づくことができます。

会社員の場合は非常に難しいですが、いまの繁忙期を乗り越えたら、まとまったお休みを申請するのもひとつの手段です。

たいていの場合は「好き」という気持ちを忘れているだけなので、その気持ちが戻ってくるまで、すこし現場を離れてみてはいかがでしょうか。

その会社の制度にもよりますが、例えば正社員からアルバイトに変えてもらって短時間だけ働いて、その分だけの給料をもらう形に変更する、というやり方もあるかもしれません。

休息時間・充電時間をとりましょう。

あと、私がおススメするのは「初心に還る」ということです。

はじめて舞台美術の仕事がしたいと思ったときの出来事や、心を動かされた舞台のことなどを、もう一度思い出してみるのは効果的です。

はじめて現場を任されたとき、その美術に照明があたったときの感動、その舞台でパフォーマーさんたちが生きて世界ができあがったときの気持ち。

そんな新鮮な気持ちをもう一度思い出してみると、きっと乗り越えられると思います。

 

舞台技術スタッフになる方法についてはこちらの記事で詳しくまとめていますのでご覧ください。

舞台技術スタッフ・舞台美術になるには!必要な資格や難易度、仕事内容とは!

 

舞台技術スタッフ・舞台美術への転職で失敗しない会社の選び方やポイント

 

転職の場合に一番注意したい点は、その会社が請け負っている現場の種類です。

やはり会社によって得意とするジャンルがあり、バレエの美術だけを請け負っている会社や、日本舞踊を専門にしている会社などがあります。

私の会社にも、イベントの種類が思っていたものと違ったという理由で同業の他会社から転職してきた人がいます。

まず、自分がどんなジャンルの舞台が好きで、どんな舞台づくりをしたいのかを明確にすることが大切です。

全国ツアーにまわるようなコンサートの舞台がやりたいのであれば、関東圏内の大手の会社がよいでしょう。

地方の会社は、わりとまんべんなくいろいろなイベントを請け負っている傾向があります。

転職の際は、その会社がどんな仕事を請け負っているかをよく調べることをおススメします。

 

舞台の仕事は、自分で上手にギアチェンジできるかが鍵!

 

この記事を読んで、思った以上にきつそうな仕事だと思ってしまったかもしれません。

舞台美術の仕事は、基本的に不規則で、ライフワークバランスを保つのが難しい。

給料もそんなに良いわけではない…

しかし、お気づきかもしれませんが、人間関係でのストレスや心労みたいなものは比較的聞かれない職場でもあります。

もちろん現場で大声で怒られたりする、ということは当然ありますが、陰湿でぎすぎすした話は聞きません。

なぜかというと、この仕事をしている多くの人が、作品を作り上げる事のほうにエネルギーを注ぎ込むからです。

体力的にはちょっときついけれど、うまいこと仕事のリズムを自分で作っていける人にとっては大変やりがいがあり、自由度の高い仕事です。

業務内容もその現場その現場によってさまざまなので、オン・オフの切り替えだけでなく、細かなギアチェンジができるかどうかが、楽しく仕事を続けるための鍵なのです。

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