ここ数年でかなり増えてきているIT関連企業ですが、このような会社の総務事務としての仕事の内容、ほかの業種との違いはあるのか、そもそも総務ってどんな仕事?という疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか?
少しでもIT企業での総務事務というお仕事に興味を持ったり、もしくは求人サイトで見つけたものの、いったいどんなことをするのだろう?と思われた方へ、IT企業の中での総務の位置づけについて、IT企業の職場の雰囲気もお伝えしていきます。
IT企業総務事務はどんな仕事?
私が所属していたIT企業では、大手のクライアントさんからお仕事の依頼を持ってくる「営業部門」、実際に納品作業(システムの構築など)に携わる「エンジニア部門」、会社のことを知っていただくための「広報部門」そしてそんな皆さんのサポートをする部署が「総務」でした。
この仕組みは多くの企業で大差はないと思います。(私の数多くの転職経験からも…)
大きな会社では「総務部」の中にお金の出入りの管理をする「経理課」や採用関係に携わる「人事課」、社内の備品管理などを行う「庶務課」、給与計算や勤怠管理、を行う「総務課」と、さらに分かれて仕事をしている企業もあります。
私が所属していた企業は社員60名ほどの中小のベンチャー企業でしたので、上記の「総務部」のうち、経理課の仕事の一部(経費精算や交通費の精算、切手の管理)と、給与計算、勤怠管理、給与計算、備品管理、そして本来は営業事務さんの職域だと思うのですが、請求書の発行や顧客管理といったかなり手広いお仕事でした。
というと、とても大変そうに聞こえるのですが、実際は月に一度の繁忙期以外は「なんかすることあるかな?」と仕事を探して社内を見まわし、営業さんやエンジニアさんの相談(愚痴?!)を聞くこともありました。(これは極秘業務ですけれど)
IT企業総務事務の1日の流れとは
上記のタイトルの通り、月に一度繁忙期がやってきます。
年間を通しての繁忙期は特にありませんでした。
繁忙期以外の一日の流れ
9:30 出勤(といってもたいてい15分前には会社に到着していました)
※制服がない職場なので着替えもなく、IT企業は遅めの10時始業の企業が多いように思います。私はこの制度を利用させていただき、更に育児の時短制度を利用させていただき9:30~17:30という勤務時間でした。
(中には朝8時に出社して17時に退勤される方もいらっしゃいました。)
出勤後、まずはメールのチェックをします。
私は他の社員さんより退勤時間が早いため、私が帰った後でもまだ勤務時間内という方や、クライアント先に出向して現地で仕事をする方もいらっしゃるので、そういった方からの連絡を確認します。
「これって経費精算できますか?」とか「自宅を引っ越ししたので定期代の変更申請をしたいです」など、連絡の内容、対応については本当に多種多様。
そんな対応も、まったくない日もあります。
メールチェックと対応が終わったら、備品チェック。
これはたいてい週明けの月曜日にします。
毎日はしないです。
そして足りなくなったものをアスクルに発注。
その合間にかかってくる会社の代表電話の対応もします。
が、総務は私一人…。
私が席を外している時や、別の電話に出ているときには他の社員さんが出てくださいました。
電話対応といっても9割近くが取次程度です。
昼食は、決まった時間ではなく、好きな時間に1時間休憩をとっていました。
エンジニアさんと外に食べに行ったり、お弁当を作っていったりと、いろいろでした。
お昼休憩後も午前と似たような仕事内容です。
一人総務なので、自分で仕事の流れを決めています。
月曜日は備品チェック
火曜日は発注書、契約書関係のファイリングや、不足物の確認をして担当営業に連絡
水曜日は経費申請書のチェック(結構不備があって出し直しの依頼をすることもあります)
木曜日は「社内環境ミーティングに参加(これは定時開催でした)と議事録作成
金曜日はその週に残った仕事をやっつける日
という感じです。
17:30退社(きっちりかっちり、定時で帰っていました。帰らないとみんなの視線が…)
下の子供がまだ小学2年生、ということもあって、時短で勤務させていただいていました。
他にも「保育園お迎え担当パパさん」の社員さんもいたため、みんなで声を掛け合って帰っていました。
勤怠締め日前日~給与振り込み4日前1日の流れ
ここはさすがに忙しいです。
締め日の5営業日前には「締めですよー」の一斉メールをします。
締め日からの業務は、終日勤怠表のチェック、経費精算のチェック、交通費のチェック、とExcelの画面とにらめっこです。
これで一日が終わるという日が4~5日続きます。
なかなかそろわない…個別催促をしながら、勤怠表のチェックをし、記入漏れのチェック、有休消化の残数チェックと申請書の確認、フレックス出勤や休暇届、遅刻早退届の申請漏れ、交通費の申請チェックなど、怒涛の1週間です。
とりあえず、日常業務をここで溜めこむことがないように、1週間前の日々ルーティン作業は締め日の前に終わらせます。
そこから怒涛のチェックの修正依頼です。
でも60人ほどなので、作業後のチェックも含めて5営業日くらいで終わります。
連絡つかない、勤怠管理表を出さない社員がいない限り…
特に早出出勤も残業もしません。
ここでも定時にきっかり帰っていました。
でも、この期間はさすがに疲れます…ずっとエクセルの画面とにらめっこなので。
IT企業総務事務はきつい?
私は、きついと思ったことはありませんでした。
勤務していたのがベンチャー企業だったせいか、私よりもずっと若い(いや、私とよりうちの息子との方が年齢近いよね?くらいなみなさん)社員層だったので、時々間違えて、私を「おかあさん」って呼んでしまうくらい‥
でもたしかによくよく考えてみるとみんなのお母さん的存在(仕事内容も)だったかもしれません。
私に関しては時短勤務だったため、残業はしたことがなく、子供の学校行事の際は早退させていただいたり、子供の急な体調不良の時には、お休みをいただくこともありました。
IT企業の総務事務の給料や年収に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
IT企業総務事務はネイルや髪型、髪色や靴は自由?
私が勤務していた企業は比較的というかかなり自由で、髪色も髪型も様々でした。
アフロなおじさまや、モヒカンのお兄さん、女の子もブリーチしまくって真っ白の髪の毛、カラコンもネイルもなんでもありでした。
靴なんて…誰も気にしていなかったかも。
そういえば冬でも下駄を履いていた人もいたなぁ。
これは社風によりかなりまちまちだと思います。
エンジニアさんがそんな感じなので、私など、多分一番地味でした。
イヤリングカラーしていました。
もちろんお咎めなどありません。
基本は「外に出て恥ずかしくない服装」という規定があって、「パジャマでの出勤は不可」だったと思います。
総務だからと言ってこのルールが私に適応されないというわけではなかったですが、私はデニムにカットソー、くらいの格好で出勤していました。
IT企業総務事務を辞めたくなる理由とは
辞めたいと思ったことは一度もありませんでした。
私の退職理由は主人の転職でした。
遠方に引っ越しを余儀なくされ、惜しみながら(私のほうが)の退職でした。
退職を惜しんでくれる方もいらっしゃり、同じ部署の人間がいない私に、いろんな部署の方が集まって送別会をしてくださいました。
最後、役員の皆さんに送り出していただきました。
本当に辞めたくなかったです。
IT企業総務事務はやめとけ?
やめとけ、とは全く思いません。
戻れるものなら戻りたいと思う職場でしたし、ずっとあの仕事をしていたら、いろんな知識も付くだろうと思っています。
いずれは社労士の資格も取りたいと思っていました。
もし今、戻ってきてほしいとお声をかけていただけたら、(今住んでいるところに支店ができたら)おそらく「よろしくお願いします!」と即答するでしょう。
IT企業総務事務に向いている人、向いていない人とは
向いている人
お母さん気質の人、面倒見は良いけれど、ちゃんと自分でできるようになるような手助けができる人、気配りができる人、だと思います。
中小企業であれば社長をはじめ役員との距離が一番近い部署です。
口の堅い方。
一定の距離を保ってそれでもしっかりと意見を言える方が向いていると思います。
向いていない人
与えられた仕事しかできない人、集中すると周りが見えなくなってしまいがちな人です。
そして会社の方針が急に変わることに抵抗を感じる方にはしんどいお仕事かもしれません。
IT企業総務事務の離職率はどれくらい?
私が退職してから、後任はいませんでした。
今もいないようです。
なので、離職率にてついてはわからないです。
総じて、IT企業は人の入れ替わりが激しいように思います。
特に技術職だと独立される方が多いせいかもしれません。
IT企業総務事務の口コミ評判とは
ベンチャーなので社長の意向が色濃く出ます。
実際就業しての評判ではないのですが、私の採用が決まるまで、かなり長い間総務事務は不在であったと聞いています。
派遣会社からいろんな方が面接に来られたりもしたようですが、なかなか決まらなかったと伺っています。
良くも悪くも、ベンチャーの気質が一番強い業界なので、合う合わないが明確に出てしまうでしょう。
サポート役が好きな方に是非お勧めしたい!職種です
私が勤務していた企業はかなり自由度が高かったためか、やりたいと思った仕事をさせていただいていた、と思います。
チャレンジしてみたい仕事を任せていただいたりもしました。
会社移転の下準備や段取り、業者の選定などは、機会がなければなかなか経験できるものではなかったでしょう。
自ら学ぶ姿勢の強い方、それを転職してもほかの業界でも行かせるスキルとして獲得したい方にはおすすめのお仕事だと思います。