「介護事務」と聞くとみなさんどのようなイメージが湧きますか?
この言葉に馴染みのない人からすると、「難しそう」「普通の事務との違いがわからない」など、なかなか仕事内容がイメージしにくいと思います。
私も最初はそうでした。
事務経験すらなかった私が、たまたま求人で見つけたのが「介護事務」の仕事でした。
本当に知識0の状態から始めた私の介護事務の経験をお話したいと思います。
パートの介護事務はどんな仕事?
介護事務の主な仕事をざっくりと説明します。
・レセプト業務
・介護スタッフのスケジュール管理
・ケアマネージャーのサポート
聞き馴染みのない言葉もあると思いますので、ひとつつずつ説明していきますね。
レセプト業務
介護事務をしていると必ず耳にする言葉のひとつにレセプトと呼ばれるものがあります。
このレセプト業務が介護事務の中でも最も重要な業務のひとつです。
利用者の人が介護サービスを利用すると、もちろん費用がかかります。
この費用を原則1~2割を利用者へ、残りの9割を国(国保連)へ請求します。
この国への請求業務が一般的に「レセプト業務」呼ばれています。
介護スタッフのスケジュール管理
私が勤めていた会社では、訪問介護のほか障がいがある方の居宅介護や外出支援も行っていました。
在籍する介護スタッフが何日の何時にどの利用者の方のサービスにあたるか、それを決めるのも介護事務の業務のひとつです。
個人的な感想になりますが、私はこの業務で一番頭を悩ませていました。
なぜかというと、利用者さんも介護スタッフも人間ですのでどうしても人と人の相性というものがあるからです。
利用者さんの中には、女性の方がいい・男性の方がいいなどの希望を持っている方もいますし、介護スタッフの中にも料理が得意なスタッフ・掃除が得意なスタッフなどいます。
それぞれの希望や得意な分野、人としての相性など考えることが多く最初のうちは「この人のサービスはこのスタッフNGだよ」などの指摘を受け、とても時間をかけて作業に取り組んでいました。
慣れてくるとそれらが全て頭の中に入ってくるので作業時間もどんどん減っていきました。
ケアマネージャーのサポート
介護の事業所にはケアマネージャーと呼ばれる資格を持った人がいます。
ケアマネージャーとは、利用者さん1人1人に必要な介護サービスなどを考えプランを作成し、利用者さんと介護サービスの仲介役を行います。
わたしが勤めていた会社では社長がケアマネージャーの資格を持っていましたので、契約などにも同行し、利用者さんの様子やおうちの中の状態などを介護スタッフに伝えることも行っていました。
事前に介護スタッフの空き時間を把握しておき、利用者さんの希望の時間と照らし合わせてスケジュールを組むなどその場でしか出来ないこともあるため新規の契約にはほぼほぼ同行させてもらっていました。
慣れてきた頃には1人で契約に行くこともありました。
パートの介護事務の1日の流れとは
1日の流れとしては、出勤してまず最初に掃除から始まり、電話番などをしながら各々の作業に取り組みます。
来月以降のスケジュールを組んだり、レセプトの請求時期に近づけばレセプト業務を行ったりです。
電話は利用者さんからの電話や外部の介護事業所からサービスの提案や見直しなど様々で、介護スタッフから業務完了の電話やメールなどが入るのでそれらのチェックも行います。
そのほかの細かい業務でいうと介護スタッフがサービスに入った際に記録を行う用紙があるので、それを利用者さんごとに整理したり、中身の確認(記入漏れなど)を行ったりなどです。
パートの介護事務はきつい?
知識0の状態で入った私ですが、介護事務の仕事をしていてやりがいを感じる場面もあればもちろん苦しい場面もありました。
介護事務のここがきついと思う場面をお伝えします。
専門用語などもあるので覚えるまではきつい
どの職業にも言えることだとは思いますが、介護に関する専門的な知識など覚えるまでは大変でした。
私の場合はまず訪問介護や居宅介護といったものの存在すら知らなかったので、まずはそういったサービスがあるということから勉強していきました。
ただ、知識を得るうちに自分の知らない分野を開拓する楽しみや、将来自分の家族が介護サービスを利用することになった時の専門的知識を今学べているといったお得感もありそこまで苦ではなかったです。
介護が必要な方の現状を直視することがきつい
先ほど介護事務の業務内容のひとつに契約への同行もあると伝えましたが、その同行の際に実際にあった例をお伝えします。
・自分でトイレに行くことも困難なため部屋の中に排泄物が置いてある
・掃除が苦手な利用者さんのため物が散乱しており、足の踏み場もない部屋
・飼っている猫の糞が部屋中に散乱している(目が不自由な方のため落ちていることに気づけない)
介護サービスが必要な理由は様々ですが、このように生活環境が整っていない方の利用も少なくはありませんでした。
これからサービスを受けることによって改善されていくのですが、その前段階を確認することはとても大事なこととはいえ最初のうちはショッキングなこともありきつかったです。
介護事務のパートの給料や年収に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
パートの介護事務はネイルや髪型、髪色や靴は自由?
これは会社によって違うと思いますが、私の勤めていた会社ではあまり派手な髪色やネイルなども禁止されていました。
パートの介護事務を辞めたくなる理由とは
始めたての頃はデスクワークに慣れていないことから頭痛などもあり辞めたいと思うこともありましたが、慣れれば特に問題ありませんでした。
レセプト業務などは特に専門的な知識やスキルが必要になるため、難しく感じる人もいるかもしれません。
パートの介護事務はやめとけ?
実際に介護事務を経験して退職した私の総合的な感想ですが、介護事務は一度経験してもいい職業であると思います。
もちろん覚えることも多いですし、精神的な部分できついなと感じる時もありますが得られる知識は必ず将来役立つと思うからです。
変な話、一般の事務職をしているだけでは経験できないようなこともたくさんあります。
そんな観点からもわたしは経験して良かったと思います。
パートの介護事務に向いている人、向いていない人とは
私が実際に業務を行っていて、こういった経験があれば良かったと思う点が2つあります。
・事務職の経験
・介護に関する知識
過去に別の会社で事務の経験あれば、仕事の要領も掴みやすいですしヘルパーなどの経験があれば介護に関する知識をいかして仕事ができますので、こういった経験をお持ちの人は介護事務に向いていると思います。
ただ、私自身はどちらの経験もなく入りましたので必ずしも必要とは思っていません。
学ぶ姿勢や意識さえあればカバーできると思いますが、逆にそういった姿勢や勉強する意欲がない人には向いていないかもしれません。
パートの介護事務の離職率はどれくらい?
離職率はそこまで高くないと思います。
私自身今は介護事務の仕事に就いてはいませんが、家庭の事情により辞めているので業務内容に不満があってといった理由ではないです。
パートの介護事務の口コミ評判とは
私が実際に働いていた時の感想としては、想像よりも難しくはなかったです。
もちろん専門的な知識やスキルが必要な場面もありましたが、身に着けるのに時間はかかりませんでしたし、最初は先輩方が付きっ切りで教えてくれましたので特に不安はありませんでした。
常に2~3人のスタッフで業務を分担して行っていたので一人ずつの負担も大きくないため、特別不満などは耳にしたことはありませんでした。
介護事務はきつくはないけど、専門知識を覚える時間は必要!
いかがでしたでしょうか。
繰り返しになりますが、介護に関する知識やスキルを覚えるまではどうしても時間が必要です。
介護事務をしていて経験したことや、感じたことなど人によって様々だとは思いますが私は経験して良かったと感じました。
事務職といった仕事の経験にもなりましたし、自分の知らない「介護」といった世界を見ることも出来ました。
実際に自分の家族が介護サービスを必要とした時に、どういった手順でサービスを受けるのか、どのくらいお金がかかるのか、以前の自分では想像もつきませんでした。
その知識が得られただけでも充分な経験だと思っています。
もし介護事務の仕事を始めるにあたって不安を感じている方がみえましたら、ぜひこの記事を参考に一歩踏み出して頂けたらと思います。