大学の事務職と一言でいっても、形態(国立か公立か私立か)で内容は全く変わりますし、さらに私立大学では大学ランク(人気の大学かFラン大学か)でも職務内容や待遇が大きく変わります。
例えば、国公立の大学はいわゆる「みなし公務員」に近いものなので待遇はお金持ち私立大学には敵わないものの、非常に安定しています。
一方で、人気の私立大学は国公立を上回る待遇のところも多くありますが、Fランクの経営ギリギリの大学では低待遇を覚悟しなければなりません。
この記事では、後者の、私の勤めていた地方のFランク私立大学での事務職について説明しようと思います。
私立大学の事務職はどんな仕事?
大学の事務職の業務内容は、配属される部署によって多岐にわたりますが、大まかに書くと下記の通りです。
・大学の入試やアドミッションに関わる学生募集課(営業)
・大学をアピールする広報課
・総務課
・図書館
・教務課
・学生課
※その他、国際センターやキャリアセンター、研究センターなどの附属機関もあります。
営業や広報、総務などは何となく内容はわかるかもしれませんが、大学事務の特徴的な内容になるのは教務課や学生課でしょう。
教員や学生への対応を主に行う課になります。
個人的には大学職員の花形だと思います。
私立大学の事務職の1日の流れとは
私の在籍していた教務課・学生課の流れを紹介します。
その他の課はよくわかりません。
まず、朝出社してから、メールチェック、朝礼で連絡事項の共有をします。
あとは、窓口対応や講義前の講義室準備など行いつつ、自分の担当の業務を自分の時間裁量で行う感じです。
例えば、奨学金の申し込み状況の確認と学生への連絡、履修登録支援、各種オリエンテーションの準備、新入生や卒業予定生を含む学生への資料の印刷、外部講師との連携や確認、などなどです。
また、大学では委員会や教授会といった意思決定機関が存在します。
事務職員は配属される各委員会の業務(委員会運営や資料作成、打ち合わせなど)を行う必要があります。
こちらに関しては、組織を回すための業務といえます。
私立大学の事務職はきつい?
大学職員の業務量は配属される課と時期によります。
アドミッションや入試関連の業務が割り当てられた場合は、オープンキャンパスや入試の時期は常に繁忙期です。
特に大きい大学の場合は夜遅くまで変えることができないくらい多忙です。
一方で、教務や学生関連の業務が割り当てられた場合は、学期末や年度末に業務が集中します。
教務、学生、総務は、突発的に忙しい時期が続いていると思います。
ただ、あくまでも事務職員ということで、世間一般からみたらそこまできついということはないと思います。
もっときつい職種はいくらでもあります。
大学職員の職務内容はそれらと比べるとかなりマイルドです。
私立大学の事務職の給料や年収に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
私立大学の事務職は髪型、髪色や靴は自由?
大学職員の事務職は他の業界の事務職と同じで、男性の場合は普通にスーツ、女性の場合は派手すぎないオフィス向けの服装です。
ただ、靴は歩きやすいものに履き替える人が多く、髪も茶髪に近い方もかなりいます。
最近流行りのいわゆるビジネスカジュアルではなく、少し時代から遅れているかもしれません。
他の大学も基本的に同じだと思いますが、特に国公立大学は堅いイメージがあります。
一部の私立大学ではオフィスカジュアルも取り入れられているかもしれません。
働きたい大学の事務職員がいるところを見て確認してみるといいです。
私立大学の事務職を辞めたくなる理由とは
大学は、どんな大学であっても補助金のおかげでそんなに簡単につぶれることがなく、他業種と比べるとかなり安定していると思います。
そんななか、辞めたくなるのは人それぞれだと思います。
私の知る限り、例えばアドミッション関連の仕事の場合は入学者数の数値目標がかなりストレスになると思います。
入試やオープンキャンパスは休日に行われることが多く、有休が取りにくい部署かもしれません。
また、教務や学生に関連する部署では、むちゃぶりをいってくる教員や学生の対応がストレスかもしれません。
最近はオンライン化によってなかなかコミュニケーションがとりにくい(そもそも教員が大学に来なかったり)ことがあります。
私立大学の事務職はやめとけ?
人によってストレスになる部分はそれぞれですが、前述の通り、大学職員は他業種と比べてそこまで激務というわけでは決してありません。
残業はありますが、残業がまったくない仕事もあるわけありません。
待遇も大学によって大きく変わりますが、業務に見会う待遇でないのならば、見切りをつけて他の教育事務に転職するのもいいと思います。
事務職なので、比較的潰しが利くところが多いと思います(特に教育事務では重宝されるはずです)。
私立大学の事務職に向いている人、向いていない人とは
大学職員はどの部署に配属されたとしてもルーティーンになる業務が多いです。
アンケート回答や学生対応などのルーティーン業務が苦にならない人がおすすめです。
また、ルーティーン業務は慎重に丁寧な仕事ができる人でないと結構ミスが出てしまうので、なんでもしっかりできる几帳面な性格の方がおすすめです。
また、窓口対応が発生する場合は対人業務が出来る人でないと勤まりません。
そういうのがストレスにならない人におすすめです。
私立大学の事務職の離職率はどれくらい?
特に国公立大学の事務職はとても安定しています。
私立大学はかなり格差がありますが、基本的にどこも補助金まみれなのですぐに食いっぱぐれることはないと思います。
ただ、私のいたFランクの私立大学では、もっといい大学や教育機関などにキャリアアップするため離職する職員はとても多かったです。
実際、Fランクの私立大学では教員や学生のモチベーションが低いため、こちらのやる気も削がれてしまい辞めたくなる人が多いのかもしれません。
私立大学の事務職の口コミ評判とは
インターネットでは安定しているからおすすめだというブログが多くありますが、その通りだと思います。
一般企業とは違って競争が少ないですし、落ち着いて仕事ができると思います。
職員の間でも、こんなFランクの私立大学でも安定しているよねと話し合っています。
もちろん世間的に有名な国公立・私立大学の方がずっと安定していて職務内容や待遇もいいですが。
なるべく有名な大学に就職した方がいいです。
大学職員、おすすめです
インターネットで大学職員はつらい、しんどいとかいてあるのも目にしたことがあります。
でも、もっとつらい業務は他業種でもあります。
私は色々な職種で仕事をしてから大学職員に転職したので、よくわかります。
ベストな仕事ではないのかもしれませんが、私個人の意見としては十分いい仕事だと思います。