「公益財団法人って、ホワイトっぽいよね」
…と思った、そこのあなた!
そのイメージは正しくないかもしれません。
実は、公益財団法人は選び方しだいで、ホワイトにもブラックにもなる可能性があるのです。
ここでは公益財団法人に「ありがちな組織文化」に注目して、少し”ダーク”な話をしましょう。
就職活動・転職活動中の方、必見です!
公益財団法人の事務職はきつい?
「一概にはいえない」というのが、正直なところです。
そもそも公益財団法人の特徴は、その財団特有の事業をあつかっていることにあります。
どのような仕事があって、どれだけ忙しく、また厳しいのか。
そういった要素は、財団によってまったく変わってしまうのです。
さらに、同じ財団内でも部署によって、忙しさや勤務形態の異なることがあります。
休日出勤や深夜勤務で変則的な働き方になることもあるので、要注意です。
公益財団法人の事務職の給料や年収はどれくらい?
その組織によって異なりますが、極端に低いという話は聞きません。
公益財団法人の事務職の給料アップの秘訣は
年功序列のため、とくに有効な手立てはありません。
公益財団法人の事務職の口コミや評判について
公益財団法人の「独特の組織文化になじめるか」が、何よりも大切だと思います。
公益財団法人は営利を目的としないため、緊張感がなく、組織文化がアップデートされにくいという特徴をもっています。
つまり、
・旧態依然とした文化が残っていて、若手にはなじみにくいことがある
・入団後、労働環境を調整してもらえない可能性がある
ということです。
とくにありがちなのは、「今までのやり方至上主義」。
「“今までの仕事のしかた”こそ絶対に正しい」という考え方です。
この考え方が浸透していると、現実に即した対応を見込めなくなります。
「事業をきちんと遂行すること」より、「今までのやり方」が優先されるからです。
たとえば、本当に助けが必要でも「それは本来一人でやっていることだから」の一言で片づけられてしまう、ということです。
当然、業務の効率化も図られなければ、一人ひとりに合わせた働き方も許容されません。
その組織文化にうまくなじめれば良いけれども、相性が良くないとストレスフルな時間を過ごすこととになるのです。
これが、「公益財団法人は選び方しだいで、ホワイトにもブラックにもなる」ゆえん。
組織文化は、「創設から何年たっているか」、「団員の平均年齢はいくつか」といった点からも推測できますので、ぜひ重点的に情報収集してみてください。
公益財団法人の事務職の将来性について
安定した職業だと思います。
「公益」財団法人ですので、ノルマはありませんし、ほかの財団と競争することもないという点で、長く働きやすいからです。
また、社会の変化による影響をあまり受けず、職場環境が変わりにくいという点でも、安定していると言えるでしょう。
ただし、業務内容や組織文化が自分に合うか、きちんと調べたうえで就職することを強くオススメします。
ミスマッチがあった場合のリスクが高いからです。
たとえば、「その財団ならではの事業に取り組める」ということは、「他の業界や業種では活かせない経験ばかり」とも言い換えられます。
当然、転職は難しくなるでしょう。
また、職場環境が変化しにくいということは、組織文化が自分に合わなかった場合、その状況を改善しにくいということでもあります。
実際、私の勤めている財団には、保守的で旧態依然とした文化があり、仕事をしていて「時代遅れだな…」と残念に思ってしまうこともしばしばあります。
ミスマッチが原因ですぐに退職してしまっては、将来性も何もありません。ぜひ、慎重に検討してくださいね。
公益財団法人の事務職になるにはこちらの記事で実際の事務員さんが詳しくご紹介していますのでご覧ください。
🔗公益財団法人の事務職になるには!必要な資格や難易度、仕事内容とは!
公益財団法人の事務職はブラックが多い?
「公益財団法人=ブラックではない」、とはいえません。
先述のとおり、公益財団法人は保守的であることが多く、今では「ブラック」といわれるような文化が未だに残っているかもしれないからです。
実際に私が経験した出来事を、ご紹介しましょう。
精神的な不調により、休職を願いでた職員(Aさん)の話です。
Aさんによれば、休職の原因は上司による「パワハラ」でした。
実は、事あるごとに部下を怒鳴りつけたり人格否定をしたりすることで有名な職員がいて、Aさんは休職の直前、立てつづけに叱責を受けていたのです。
財団は、事実関係を調査。
当然、パワハラが認定されるだろうと思いました。
しかし翌日、全職員に配られた書類にあったのは「パワハラはなかった」の文字。
自分の部署の上層部も、「あれはパワハラじゃないよな」などとコメントする始末。
このあまりにも杜撰な対応に、私はあっけにとられてしまいました。
職員を大切にしようという発想は、まったくないようです。
このように、給与や残業ではなく組織文化の点で、とてもホワイトとはいえない環境であることもあるのです。
公益財団法人の事務職を辞めたい時の対策や乗り越える方法とは
月並みですが、まずは信頼できる人を頼りましょう。
思わぬ解決策が見つかるかもしれません。
それでもダメな場合は、「休職」という切り札を使うのも手だと思います。
これまで見てきたように、公益財団法人は柔軟な対応が苦手であり、ホワイトとはいえない側面もあります。
そうしたとき、自分の身を守れるのは自分だけです。
財団も、「診断書」が提出されたら対応しなければなりません。
復帰時には医師を通じて異動を要求することもできますから、体調を崩してしまう前に使うのが得策です。
公益財団法人の事務職への転職で失敗しない会社の選び方やポイント
ずばり、「人事部(課)」があるか確認してください。
規模の小さい財団では、人事部がないこともあります。
採用の時期だけ別の課が対応し、実際の人事権は社長が一手に握っているのです。
当然、異動の相談はしにくくなるでしょう。
採用説明会や組織図で人事部の有無は確認できますから、ぜひ参考になさってください。
公益財団法人の事務職の志望動機の書き方や面接のポイントとは
その公益財団法人が、どのような事業を行っているか、きちんと把握することが大切です。
時々、「名前だけならだれでも知っている」公益財団法人があります。
そうした場合、一般的に知られているイメージが先行しがちですが、「目立たないところでこんな事業もやっていた」ということが少なくありません。
もし、イメージだけで応募すれば、採用にこぎつけるのは難しいでしょう。
「どのようなことをやっているのか分からない」からこそ、きちんと調べておくのが大切です。
公益財団法人はブラックにもホワイトにもなる
今回は、公益財団法人のダークな部分をメインに紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
保守的なイメージはあっても、その先にどのようなデメリットがあるのか知らなかった、という方もいらっしゃると思います。
「公益財団法人はブラックにもホワイトにもなる」。
このことを頭の片隅において、就職(転職)活動に臨んでくださいね。