「介護業界はきつい割に給与が安そうだけど、やっぱり事務もそうなの?」
「介護職の求人はよく見るから、給与相場の比較がやりやすいけど、事務は滅多に出てこないからよくわからないなぁ」
あなたは今、こんなことを悩まれてはいませんか?
この記事では、事務職の中でも情報が出てきにくい「介護施設の事務」について、
・給与体系と内容
・他業界の事務と比べて、給与が高いのか安いのか
・介護施設の事務の求人応募対策
を、筆者の体験をもとにご紹介していきます。
介護施設の事務への転職に必要な資格やパソコンのスキルとは
求人の内容によって変わってきますが、介護施設の事務では、必ず持っていないといけない資格って、意外と少なかったりします。
経理事務の求人で「日商簿記3級」を求められるくらいで、介護報酬請求事務の求人では資格不問ですし、一般事務や事務補助パート求人でも資格不問です。
ただ、持っていると重宝がられる(困ったらこの人に聞け!と認定されやすい)資格として、「ファイナンシャルプランナー3級」や「社会保険労務士」があげられます。
ファイナンシャルプランナーの方は社内向けサービス(在職職員への社会保険の制度説明や、退職職員に向けた失業保険の案内など)の向上に役立ちますし、社会保険労務士の方は助成金や給与計算などのノウハウを経営者側に提示することができるためです。
またパソコンスキルは、他の業界ほど求められるレベルは高くないです。
具体的には、ワードで苦も無く文章が打てるとか、エクセルで四則計算やsum関数を使って表作成できて、メールソフトが使える、といったレベル感。
取得しておくと、技量を説明しやすい資格として
・日本語ワープロ検定試験(通称ワード検定)3級
・情報処理技能表計算試験(通称エクセル検定)3級
があげられます。
他でも最近では、Zoom等のコミュニケーションツールを抵抗なく使うことができる、というのもアピールポイントになると思います。
遠くにお住まいのご家族で、利用者様とタブレットで面会したいというニーズが高まっているためですね。
(日常的に友人とオンラインお茶会などを催されている方などは理想的です!)
介護施設の事務の月収やボーナス、年収はいくら?
おおむねの数値になりますが、筆者の職場での昨年度実績モデルをお知らせします。
モデル:30代後半・課長職の場合
月収(各種天引き前)・・・約27万円
ボーナス・・・約80万円(基本給+家族手当の合計×4か月分)
となります。
なので、おおむねの年収は
27万円×12ヵ月=3,240,000円・・・①
賞与800,000円・・・②
①+②=4,000,000円となります。
介護施設の事務の給料明細とは
次は月々の給与明細について、筆者の例を参考に具体的な手当名等を挙げながらご説明しましょう。
【総支給額】 250,600円・・・③
(内訳)
基本給:175,000円
役職手当:15,000円
処遇改善手当:30,000円
通勤手当:8,100円
家賃手当:22,500円
【天引き額】 55,657円・・・④
(内訳)
健康保険料:13,676円
厚生年金保険料:23,790円
雇用保険料:751円
所得税:4,940円
住民税:12,500円
【差引支給額(手取り額)】 ③―④=250,600円-55,657円=194,924円
となります。
あらためて見返して思いますが、引かれものの金額大きすぎですね‥。
介護施設の仕事内容やきつさに関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
介護施設の事務の給料は安い?高い?
筆者の施設は九州ですが、他業種の事務の給与と比べて基本給は同程度、手当類は高い、賞与は高いと言えます。
経営陣の方針にもよりますが、毎月の処遇改善手当と賞与で年収の底上げがされているイメージですね。
「介護保険」という税金を収入の財源にしている施設ならば、収入の目途が立ちやすいので、処遇改善手当と複数ヵ月の賞与を支給しているところは多いと思うので、狙い目ですよ!
介護施設の事務の給料を上げるには
残念ながら、定期昇給のみです。
介護職なら、昇給・昇格の条件になっている資格がいろいろあるんですけどね。
ただ、筆者の施設では「実績が良好のため、基本給を定期昇給3年分一気に上げる」といった査定をされた職員もいるので、常に問題意識や改善点を探す意識は持っておくとよいと思います。
介護施設の事務の面接時の服装は?
男女ともにスーツです。
ラフなイメージのある介護施設ですが、面接のときばかりは、さすがにフォーマルさを見られています。
くれぐれも、Tシャツ・ジーパン・スニーカーみたいな感じにならないように、お気を付けを(筆者の施設の応募者で、実際にいらっしゃったことがあります)
介護施設の事務の志望動機の書き方や例文とは
アピール材料として
・(経験があれば)福祉や保険、税金分野での業務経験
・IT機器の操作や、それらを用いた業務に抵抗がないこと
・ご自身の家族の介護を手伝った経験
などがあげられます。
そういったものにプラスして、募集のあった事務の内容に沿った志望動機を加えていくと良いでしょう。
例文として、例えば「一般事務+IT担当」といった求人に対しては「私の祖父が、最近デイサービスに通うようになり、介護業界のことを身近に考えるようになりました。その際に施設の方や市役所の方に様々な制度について教えていただき、色々な人や資源に支えられた、非常に働き甲斐のある業界だと感じました。業界は未経験ですが、IT機器に関する操作や日常使いには抵抗がございませんので、貴社のITインフラの環境整備推進や業務効率化のお手伝いが出来ればと考え、志望いたしました」といった感じでしょうか。
介護施設の事務の面接で聞かれることやポイントとは
比較的求められるハードルは低いとは思いますが、
・事務だけど人相手の仕事なので、そこに抵抗はないか
・介護独特の事務(介護報酬の請求など)の求人の場合は、新しいことに取り組む意欲はあるか
など問われると思います。
これらの質問に、前向きに回答できることがポイントになります。
介護施設の事務で、利用者様や現場に重宝される喜びを知ろう!
いかがだったでしょうか?
介護施設の事務は、給与面で圧倒的に高くなることはない反面、自分が「大したことない」と思うようなスキルでも意外と重宝され、自己肯定感が満たされたることが良くあります。
安定的にそこそこの給与を得ながら、まったりと自己研鑽を進められたい方は、まずはお話だけでも聞かれてみることをお勧めします。