みなさんは”コールセンター”という職業をご存知でしょうか。
そして具体的にどんな仕事をしているのかということをご存知でしょうか。
コールセンター業務は時給のいいバイトとして知られているので、とても魅力的に見えるお仕事ですが、実は離職率がとても高く、入社して1年以内に辞めてしまう方が7割以上いる業界です。
今回はコールセンターで実際に働いたことがある経験を踏まえて、コールセンターの実情をなるべくわかりやくすく紹介していけたらと思います。
仕事はきついのか、必要となる資格や仕事内容、辞めたい理由などについて解説していきます。
コールセンターの仕事内容や1日の流れ
まず出勤したら、その日座る自分の席を探します。
コールセンターでは出勤日ごとに席が変わることが多いので、オフィスの入り口のあたりに紙で張り出されている席次表を確認し、間違えないように自分の席に着きます。
席についたらパソコンの電源を入れます。
実は、コールセンターでは多くの場合パソコンのアプリを介して電話を行います。
入社の際に、個人毎にIDとパスワードを支給されるので、それらを使ってアプリにログインしたら自分の専用ページが表示されます。
この画面で、勤怠や電話中かどうかなどを管理者の方が確認できるようになっています。
またこの専用ページから周知事項などの確認もすることができるので、業務に必要な情報がないかを確認してから業務に入っていきます。
コールセンター業務では受電業務と架電業務に分かれており、基本的にはどちらか一方を専門で行って行くことになります。
受電業務を行う方は、お客様からのお問い合わせやクレームに対応していくことになります。
架電業務を行う方は、SVと呼ばれる管理者から指定された架電リストに沿って、ひたすら電話をかけていくことになります。
電話が終了したら、受電架電関係なく、お客様からヒアリングした情報をPCに入力し一回の電話が終了になります。
こういった作業を終業時間までひたすら続けていきます。
コールセンターに必要な資格や求められるスキルとは
コールセンター業務をするにあたって必要な資格は特にありませんが、基本的にパソコンを使用して業務を進めていくため、タイピングなどの基本的な操作に抵抗のない人の方がスムーズに業務を行えると思います。
また、お客様の個人情報を取り扱うことも多いため、守秘義務をしっかり守る必要があります。
実際に守秘義務を破ってしまったことで損害賠償を払うことになってしまったなんて方もいるようです。
社外に重要な情報を漏らさない、口の堅い人である必要もあります。
コールセンターの仕事はきつい?
コールセンター業務は基本的にずっと座って業務を行うため、身体的な辛さはあまりありません。
しかし、お客様からのクレーム対応などをずっと行っていると精神的にきつくなってくるということはしばしばあります。
私の同僚は以前勤めていた先で、朝の9時から17時までずっと1人の方のクレームを休みなしで対応し続けたといったことがあったようです。
コールセンターには、お客様との電話をこちら側から切ってはいけないという鉄の掟があるので、こちらのケースでも対応し続ける結果となってしまったようです。
こんなケースは非常に稀ですが、お客様からの怒りのエネルギーを長時間浴び続けるといくら顔は見えていないとはいえ流石に堪えてきます。
こういった精神的な負担が積み重なった結果、退職を選択してしまう方が多いようです。
コールセンター業務のお仕事のメリットデメリットについて
コールセンター業務に従事するメリットとして、比較的時給が高いということが挙げられます。
1200円以上で募集していることが多く、中には1800円~2000円程で募集している企業もあったりします。
中にはインセンティブを設けている会社も少なくなく、契約が取れれば別途手当を貰えることもあります。
しかし、基本的にはずっと同じ姿勢で電話をし続けるため、首や肩が凝ったり、腰を痛めてしまったりする可能性もあります。
私は元々腰痛持ちだということもあってか、腰痛にたびたび襲われています。
一度、業務中に腰痛が悪化してしまったことがあり、痛みに耐えきれず早退をしてしまったこともあります…
まとめると、比較的時給がいいため稼ぎやすいが、長時間同じ姿勢で業務を行うため体を痛めてしまう危険もあるといったところです。
コールセンターに向いている人 向いていない人とは
コールセンターに向いている人は、人と会話をするのがあまり苦ではない方、また長時間同じ様な作業をすることに耐えられる方だと思います。
コールセンター業務で核となっている業務内容は電話です。
そのため電話をすることや、人と会話をすることが苦手だという方は業務請負が辛く苦しいものになってしまいかねません。
加えて、その業務を終業時間までずっと行っていきます。
業務自体に慣れてきてしまうと、とても単調に感じることが多く、苦手なことが延々と続く様な職場では精神的に苦しくなってしまいますよね。
そのため電話の業務、そしてそれを延々と続けることへの許容のある方がコールセンターに向いているのではないかと思います。
逆に、そういった作業をするのが苦手な方やはコールセンターにはあまり向いていないかもしれません。
コールセンターを体験した実際の口コミや評判
私は、架電業務で企業相手にクライアントの新サービスの紹介をする業務を行っていたことがありますが、正直大変でした。
とにかく、クライアントから依頼されているリストを消化しなければならないので、勤務中はとにかく電話をかけまくります。
そのリストには何万件という企業の連絡先が乗っており、ご多忙などで電話に出ていただけない場合には最低3回はかけ直すというルールがあったため、総架電数は何十万件というレベルでした。
しかも、それらを1ヶ月で消化しなければいけなかったため、約50名ほどのスタッフが、1日8時間の勤務で200~250件程度の電話をかけていました。
毎回毎回お話ができるわけでもなく、担当者の方が不在だったり、そもそもお電話に出ていただけないこともあるので、とにかく根気よくかけ続けなければなりませんでした。
そうしてやっと担当者の方に繋いでいただいても、興味ないと一蹴されてしまったり、そんなことで電話してくるなと叱られてしまったこともあります。
この期間は私も精神的に苦しくなってしまった時が何度かありました。
コールセンター業務の時給や年収、面接時のポイントなどはこちらの記事で詳しくまとめていますのでぜひご覧ください。
🔗コールセンターの時給や年収とは!面接時の服装や英語の必要レベルはどれくらい?
コールセンターのストレスや辞めたい理由とは
前述したように、業務にあたってお客様からお叱りを受けたり、電話先の相手からたくさんの拒否をされたりするとかなりのストレスが溜まって来ます。
そんな日々が続くと、だんだん出勤前が憂鬱になってしまい、最悪の場合うつ状態になってしまう方もいらっしゃいます。
私の母も昔、コールセンターに務めていましたが、この様なストレスを受けて退職してまいました。
一時は精神科に通うほど症状が悪化してしまった時期もありました。
現在は他の職場で元気に働いていますが、生活のための仕事で生活自体を脅かされてしまっては元も子もないと強く感じた出来事でもありました。
金銭面での待遇がいいことが逆に、人生ってお金じゃないとの気づきに拍車をかけてしまうことが辞めたくなることの原因の一つだと思っています。
まとめ
コールセンター業務は、特に必要なスキルもなく高時給で働くことができるので非常に魅力的なお仕事です。
しかし、その内情としては、メンタルがやられてしまうことも少なくなく、離職率も非常に高い職種であることをお伝えしてきました。
特に感受性の強い方は、精神面で不安が残る職場だなと個人的には感じています。
今回私がお話した内容を少しでもお仕事選びの参考にしていただけたら幸いです。