認可保育園の事務と聞くと、保育園に勤務して仕事をすると思われたかもしれません。
今回紹介する仕事は、認可保育園を運営する株式会社での話です。
なので、勤務場所は園でなく一般的な事務所です。
現在、認可保育園には、企業が運営する私立保育園、地方自治体が運営する公立保育園、社会福祉法人が運営する私立保育園の3つがあります。
その中でも企業の園は後発で、社会福祉法人(以下社福)や公立の園と比べて雇用条件は見劣りするところがあるようです。
しかし、やることはどこも同じ。
小さなお子様を預かる園のサポートが仕事です。
保育士の先生ほど近くで子どもに接する訳ではありませんが、成長が見て取れたり、社会的に貢献できている実感が得られたりとやりがいに溢れた仕事です。
それでは細かいところを解説させてもらいますね。
あまり情報の多い仕事ではないかもしれないので貴重です!
認可保育園の事務とは
事務といってもやることは様々です。
以前、私がやっていた仕事を振り返ってみると以下のようになります。
・園運営に関する補助金申請
・補助金申請に関わる保育実績の報告書作成
・園の経費管理
・備品管理や購入手続き
・園行事に会社代表として参加
・園長先生の評価
・保育士の入退社に関わる作業
・トラブルやクレーム対応
・勤退管理
この様な作業を担当していました。
認可保育園の事務の仕事内容は
仕事内容はひとつ前の見出しでお話したことを主に業務として行います。
会社によっては保育士資格が必須になっているところもある様ですが、この会社では不要でした。
それでも資格を持っていた同僚の事務担当は、これに加えて保育のヘルプをやっていましたね。
そのせいで他の作業がまわっていませんでしたが…。
私の場合は、飲食店あがりだったこともあり、給食の調理補助をヘルプでやっていました。
やっぱり現場のヘルプが増えると他の作業はまわりません…。
その他では自分の勤務管理、経費申請、一般的な会社で行うような作業が入ってきます。
「事務」というよりは、飲食や小売店のスーパーバイザー(SV)やマネジャーの方がイメージしやすいかもしれませんね。
認可保育園の事務職の仕事のきつさなどに関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご確認下さい。
🔗認可保育園の事務はきつい?辞めたい理由や乗り越える方法や対策とは
認可保育園の事務の1日の仕事の流れは
上の仕事を1日の流れにするとこんな感じです。
9:00 出社
~12:00 勤退の確認や補助金申請作業
(昼休憩)
13:00~ 必要に応じて園の巡回
16:00~ 午前の作業の続きや他の事務作業
18:00 終業
大雑把にですが、午前と夕方にデスクワーク。
お昼の園が忙しくないは園まわりというような流れでした。
ただし、こんなにうまくルーティン化できていた日はほんのわずかです。
大半は、イレギュラーなことに対処する時間になっていました。
先ほど書いたように、ヘルプに入れば夕方近くまでデスクワークは全くできませんし、大きなトラブルや保護者の方からのクレームがあると一日掛かりで対応にあたることもあります。
なので、こうなればいいなぁという願望も含まった流れということを白状しておきます。
認可保育園の事務に必要な資格や免許の難易度は
保育士資格を必須にしているところでは資格が必要ですが、それ以外は特に求められるものはありません。
しかし、補助金の申請に関しては、園所在の都道府県が定めたルールに沿って申請するものがあり、予備知識があった方がラクです。
全くのイチからはじめると多少苦労すると思います。
私がまさにそのクチでした。
異業種からの転職で右も左も分からず、大変苦労しました。
また、資格は要らずとも保育に関する知識も必要です。
この仕事では、保育士と関わることはあまりありません。
主に相手は園長先生です。
時には、園での意思決定にアドバイスを求められることもありますので、保育のことは全く知りませんということではお役に立てません。
一般的な情報も交えながら、保育の視点を持てているとスムーズに進められます。
認可保育園の事務職の給料や年収に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご確認下さい。
🔗認可保育園の事務の給料は安い?年収や給料明細、口コミや評判とは!
認可保育園の事務に向いている人向いていない人とは
この仕事、向き不向きははっきり分かれるのだと思います。
というのも、私が働いていた会社では、このポストの人間がほとんど定着していないようで、1~3年サイクルで入れ替わっているようでした。
そんな仕事に向いている人はというと…。
まずは保育士経験のある方でしょう。
恐らく、補助金の申請や一般的な事務作業には苦労するでしょうが、肝心な保育に関する知識がある分、スムーズに入っていけると思います。
他にも、同じような福祉業界での事務仕事をしていた方は向いているでしょう。
具体的には、老人ホームや介護施設、障害者施設での事務担当がこれに当たります。
同じ役所相手の仕事ですからね。
似たようなルールのもと申請作業を経験は有利です。
では、保育士や福祉業界経験者じゃなければ向かないのか?というとそうではありません。
自ら調べることが得意な人や、保育に関する知識をこれから勉強できる人は向いていると言えます。
他には「人たらし」な方も向いています。
人たらしとは、人当たりがよくて、誰とでも親しく接することができる人のことです。
人たらしは向いています。
苦労も多いと思いますが。
最後に、会社内は男女半々くらいでしたが、園は9割女性です。
女性相手のマネジメント経験が豊富な方や、経験はないけど得意という方は向いています。
認可保育園の事務になるまでの道のりや方法は
ここまで読んでいただき、実際にやってみたい!と思った時にどのようにしてこの仕事までたどり着くか?についてお話ししておきます。
結論、何も特別なことはありません。
一般的な人材紹介や求人サイトから応募するだけです。
ただし、社福の事務担当は競争が激しいのでなかなかお目にかかれないかもしれませんよ。
ちなみに「認可保育園 株式会社」と調べてみると企業の一覧が見られます。
参考にしつつ求人を探してみてください。
実際、私がいた会社には前職営業の人や飲食店勤務、コンサルなど異業種からの転職者がたくさんいました。
探す際は経歴を気にせず探してみて下さいね。
やりがいや社会貢献性はピカイチ!でも苦労も多い
少し前にも紹介したとおり、子どもたちの成長を感じられたり、保護者さんから感謝されたりするのでやりがいや社会貢献性は他の仕事と比べて高く感じられます。
しかし、いいことばかりではありません。
苦労もたくさんあります。
何しろ、保護者からしてみれば大切な我が子のこと。
見えないことに対する心配があってもおかしくないでしょう。
だからこそ、小さな出来事でも感情的になりますし、園の運営方針に対して真剣に要望される方もいます。
我が子を思っての行動ですから、いただく意見も軽いものではありません。
また、現場では0歳児もお預かりしています。
乳児はちょっとしたことが大怪我に繋がりますし、午睡時には突然死の危険すらあります。
万が一、何か起これば会社の管理体制が問われ、事務担当が会社の代表として矢面に立つことだってあります。
頻繁に起こることではありませんが、こんな一面もある仕事なのです。
保育士と同じように、子どもの成長を見守れるというようないいところばかりを見ていてはギャップにやられます。
ぜひ、真剣に考えられる際は、それ以外の部分もしっかりと情報収集しなければなりません。