理学療法士の活躍の場は病院だけではありません!
デイサービスや福祉施設、特別支援学校、スポーツ選手のサポート、学校での指導や研究など活躍の場は多岐にわたります。
今回はその中でもリハビリ特化型のデイサービスで理学療法士が周囲から求められていることや実際に行っていた業務を実体験から皆さんにお伝えしていきます。
リハビリ特化型デイサービスの理学療法士の仕事内容や1日の流れについて
リハビリ特化型デイサービスの中で国家資格を持っている理学療法士はそのデイサービスの中心になります。
デイサービスを利用してくれる利用者さんへ送迎時間の電話を行い、1日の運動メニューを考え、送迎、レットコードを使用した体操、利用者さんのリハビリ・運動指導、ご家族の方の疑問への返答、利用時間が終わり送迎をしたら施設の清掃。私がいたデイサービスは半日型のデイサービスだったので1日2回これを行います。
その他にもデイサービスで使用する運動計画書やケアマネジャーの方への報告書の作成、担当者会議への参加、見学対応、自宅の環境の確認や杖や歩行器などの調整・提案、定期的な体力測定、資格を持ってないスタッフへの運動の説明など業務全般をおこないます。
リハビリ特化型デイサービスの理学療法士に必要な資格や条件は
理学療法士の資格はもちろん必要になります。
デイサービスを利用される方は既往歴も多種多様で、お一人で外出出来る方もいれば車椅子で移動も介助が必要な方もいます。
病院と違ってデイサービスは利用者さんの情報が圧倒的に少なくなります。
場合によってはケアマネジャーの方から貰っている情報が間違っているということもあります。
利用者さんに適切なリハビリを行うため理学療法士として幅広い分野の知識が求められます。
また、一度に多くの利用者さんを見なければいけないので広い視野を持ち、状況判断をする必要があります。
(18名いる利用者さんに対してスタッフは5,6名。運動の切り替えのタイミングで一斉に利用者さんが動き出し転倒しそうになるということも‥)
リハビリ特化型デイサービスの理学療法士は正直きつい?
一緒に働いてくれるスタッフの協力がないときつい職場になります。
利用者さんもご家族の方も理学療法士に診てもらえるという点に利点を感じて利用している方が多くなります。
利用者さんとのコミュニケーション・リハビリ、書類仕事、1日の時間割作成、職場の清掃や送迎、ご家族の方の対応などを全て行うとすると時間が足りません。
資格を持っていないスタッフと仕事内容を共有してどこまで任せることが出来るかが重要になります。
また、事業所の方針にもよりますが、月に一度ケアマネジャーの方に送付する報告書も全て理学療法士が書くとなると大変です。
私がいたところは理学療法士2名に対して利用者さんが150名程度で毎月業務に追われていました。
特に理学療法士じゃないと書けないというものではないので事業所の方針で仕事量は異なってきます…
リハビリ特化型デイサービスの理学療法士の給料や年収はいくら?
1年目は新卒として4月からの勤務で年収230万、2年目以降は360万程度でした。
別の病院から転職してきた上司は新卒で入ると安いから、どこかで勤務してから来ればよかったのにと言われてました。
経験年数によっても年収は変わりますので、一度病院勤務を経験してからデイサービスという考えも悪くないと思います。
また、事業所の管理者になれば管理者手当が入りますので、さらに年収は上がります。
リハビリ特化型デイサービスの理学療法士に向いてる人向いていない人は
デイサービスという環境上、1人の利用者さんだけに集中することはほとんどできません。
大きな視野を持って複数の方を見るよりも、一対一でしっかりとリハビリをしたいという方には向いてないかもしれません。
急性期の患者さんを見たい方やしっかりとデータを見たいという方も避けた方がいいと思います。
逆に多くの人とコミュニケーションを取りながら利用者さん同士の掛け合いも楽しむことが出来る方は楽しみながら仕事ができると思います。
また、病院よりも長くリハビリができ、さまざまな既往歴を持つ方が利用されるので、長く変化を見ていきたい人やいろいろな分野の疾患を見たい人にもおすすめです。
リハビリ特化型デイサービスの理学療法士の実際の口コミや評判とは
利用者さんやご家族の方にはとても感謝され、やりがいを感じる仕事ですが、一方で利用者さんからみても資格を持った理学療法士が大変だと感じるようで大丈夫なの?と声をかけられることもありました。
私の場合は上手く事業所のスタッフに仕事を任せられなかったため、遅くまで仕事をしなければ行けないことも多々ありました。
資格を持っている人と持っていない人の差が激しく、一緒に働く方の理解や協力がないときつい職場です。
また、私がいたデイサービスだけかもしれませんが、勤務時間が8時半から17時半という環境で9じ9時には午前中の利用者さんが施設に来られて、午後の利用者さんは5時に施設を出るというタイムスケジュールだったので、施設から遠いご自宅の利用者さんがいると出勤前に電話をして出勤ということもあります。
勤務時間はほぼ利用者さんの対応で現場に出ているので書類などの事務仕事は残業をして行う状況でした。
デイサービスも沢山あるのでどのようなデイサービスなのか確認は必須です。
リハビリ特化型のデイサービスで理学療法士のやりがいについて
病院よりも実際の生活の場に近い環境でリハビリを行えることが一つの利点です。
家に帰ったらやらなくなった・出来なくなったということがとても少ないです。
また、送迎の際にご家族様からご自宅での様子を聞けるのでご本人様が困っていることに加え、ご家族様ができるようになって欲しいこと、困っていることなどの情報を得やすい環境です。
その他にもデイサービスを利用してくださってる方同士で励まし合い、リハビリに取り組むことが出来る環境にあり身体機能もですが、デイサービスに来るのが楽しみ!と言ってもらえることも多く精神的なサポートも出来る環境です。
リハビリ特化型のデイサービスを選ばれて来られた利用者様は身体機能を良くしたいという思いが強い方も多いので、負荷に注意して適切な運動を指導することが出来れば維持期と言われる利用者様でも劇的に良くなることが多くあります。
ちょっとした身体の使い方のアドバイスをするだけで、生活がしやすくなったと利用者様の笑顔を見ることが出来るのも魅力の一つです。
リハビリ特化型のデイサービスで理学療法士の将来性について
リハビリ特化型デイサービスにいると診断はついてないけど将来的に悪くなる可能性がある状態の利用者様とお会いする機会が多くあります。
患者様が病院に行ってからじゃないと対処できない病院のリハビリと異なり、現在の身体機能に加え、まだ診断がついてリハビリを行う状態ではないものへのアプローチもできるため、利用者様の身体機能や生活の質を落とすことなく、身体機能を良くしていくことが出来ます。
また、ご家族やケアマネジャーの方とも会う機会が多くあり、情報を共有することで頻度の少ないリハビリでも効果を出すことが可能になります。
医療費の逼迫や高齢化社会といった観点から見ても早期に身体機能の変化に気づくことができ、予防リハを行うことが出来るリハビリ特化型デイサービスは今後の社会を考えても重要な職だと考えられます。
理学療法士を目指してる方へ
どんな環境でも理学療法士としての知識や技術を提供するといことは変わりません。
自分がやりがいを持ち、楽しみながら働くことが出来る環境を見つけ、理学療法士として活躍してください!