自動車や船、道路や河川に関する業務に興味がある方、それに加えて国家公務員としても働きたい方、そんな方に向けて今回は、国土交通省の地方出先機関で国家公務員をしていた私が、国土交通省職員の給料や採用試験受験のコツをお伝えします!
この記事を読むことで、次のことがわかります。
・国土交通省に務めるとどれくらいの給料をもらえるのか
・国家公務員一般職(大卒程度)を受験する際のコツ
それではよろしくお願いします。
国土交通省の事務職への転職に必要な資格やパソコンのスキルとは
結論から言うと、必要な資格やスキルはありません。
ただし、一定水準の学力やコミュニケーション能力が必要になります。
資格の種類によっては面接で評価されるものがあるかもしれません。
とはいえ、これだけ聞いてもよくわからないと思いますので、参考までにざっくりと試験区分や採用までの流れを説明します。
あくまで私の実体験を元にしたざっくりとした説明なので、詳しくは採用案内のホームページを確認してください。
採用試験の流れについて
冒頭でも記載しましたが、国土交通省の職員は国家公務員です。
ですので、国土交通省で働くためには国家公務員採用試験を受験する必要があります。
試験の種類は東京都霞ヶ関で官僚として働く「国家総合職」試験と、地方(関東や中部など)の一般職職員を採用する「国家一般職」の試験の二種類があります。
今回は私が受験した「国家一般職」試験の「大学卒業程度」区分に焦点を当ててお話しさせていただきます。
さて、国家一般職試験なのですが、国家公務員を採用する試験ということもあり、標準程度の学力を求められます。
学力については一次試験でふるいにかけられることになるのですが、この学力試験は「一般教養」試験と「専門」試験の二種類に分けられます。
一般教養試験では、国語、数学、理科、社会、英語を中心とした教科の高校卒業程度の知識が問われます。
全部で40問の選択問題で、合格ラインは6割くらいと言われています。(わかりやすいように「数学」と書きましたが、正確には地方自治体の試験などと同様、「数的処理」と「判断推理」という分野の試験になります。)
専門試験は憲法、民法、行政法などの専門分野から8つの分野を選んで回答します。
一般教養試験と同様に全40問の択一問題です。
一次試験の勉強方法については話し始めるとキリがありませんので今回は省略させていただきます。
二次試験は面接です。
この面接は国土交通省に採用希望の受験生だけでなく全ての受験生が受験することになるもので、質問内容も各組織の業務内容に特化したものではなく、国家公務員としての素養であったり、コミュニケーション能力みたいなものを見られたように感じます。
(質問例:どうして国家公務員になりたいと思ったの?学生時代に頑張ったことは?最近興味を持った出来事は? など)
二次試験に合格することにより、「官庁訪問」ができるようになります。
官庁訪問とは、その名の通り就職したい官庁にアポイントをとって訪問、採用面接を受けることです。
この段階で初めて国土交通省の出先機関である地方運輸局や地方整備局といった選択肢が出てくるのですが、この官庁訪問は、日程調整をすることにより何箇所も受けることができます(私は労働局や税関、法務局など5箇所くらいアポイントを取りました)。
各官庁の面接では、その官庁への志望動機や業界知識、興味のある業務などについて、踏み込んだ質問をされたと記憶しています。
面接の回数は官庁によって異なりますが、この試験を突破することで晴れて内定となります。
勉強には時間がかかりますし、試験から面接まで通して3ヶ月くらいかけて行われますので、腰を据えて頑張る必要があります。
そういった意味では、採用に必要な一番の要素は意欲と忍耐力と言えるかもしれません。
国土交通省の事務職の給料や年収、ボーナスはいくら?
国家公務員の基本給は「人事院規則」に定められている基準に沿って支払われます。
また、基本給に加えて扶養手当、家賃手当(家賃の半額を支給される、上限あり)や通勤手当、地域手当、高域異動手当(一定距離以上の人事異動があった場合、その後一定期間給付される手当)、離島手当などの手当が含まれます。
高域異動手当や離島手当は、転勤が多い国家公務員にとっては有難いですね。
ボーナスは6月と12月の1年に2回、それぞれ月給の2ヶ月分くらいもらっていました。
曖昧な記憶ですが、初任給の手取りは16~18万円くらいだったと思います。
昇給は普通の評価を受けていれば、若い頃は1年で5000円ずつくらい上がっていきます。
国土交通省の事務職の給料明細とは
給与明細は紙ではなく、電子媒体のものをシステムでダウンロードする形式です。
国土交通省の事務職の仕事内容やきつさに関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
国土交通省の事務職の給料は安い?高い?
国土交通省に限らず、国家公務員一般職の給料は、民間企業の標準に設定されているため、「そこそこもらっている」と言う表現になると思います。
給料はそこそこですが、福利厚生、各種手当、退職金まで含めると条件は悪くないような気がしますし、何よりも急に倒産することもない「安定感」がありますので、その点は給料の水準には変えられないものがあると思っています。
国土交通省の事務職の給料を上げるには
毎年1月に昇給(級や号が上がることによる棒給アップ)します。
前述した通り、若いうちは1年で平均5,000円程度昇給します。
あまりにもひどい勤務態度をとっているとこの限りではありませんが、逆に突出した成果を上げて評価された場合はもう少し多く上がるかもしれません。
国土交通省の事務職の面接時の服装は?
スーツです。
身だしなみはかなり重視されると思いますので、服装だけでなく髪型、靴なども清潔に保って臨みましょう。
国土交通省の事務職の志望動機の書き方や例文とは
志望動機を書く際は、まず希望する省庁についてしっかりと調べましょう。
その上で自分が携わりたい業務を選び、なぜその業務に関わりたいか、その業務でどのような成果を上げたいかを具体的に書くと面接官に熱意が伝わると思います。
公務員であり、且つ自動車や道路などの分野に特化した省庁ということでかなり(他の職場にはない)特徴的な職場ですので、志望動機を考えるのは難しくないのではないでしょうか。
国土交通省の事務職の面接で聞かれることやポイントとは
前述しましたが、比較的オーソドックスな質問がされる印象です。
志望動機や学生時代に頑張ったこと、受験者の人間性などを見る質問が多く、基本的なコミュニケーション能力を持っているか、何事も努力できる人間かといったところを重視しているように感じました。
ポイントとしては、ハキハキと簡潔に、わかりやすく伝えること。
回答に共感できるようなエピソードを交えることでしょうか。
書くのは簡単ですが、実践するのは難しいと思いますので、何度も練習したり、アドバイスをもらったりして面接技術を高めてください。
難易度中級!待遇も中級!
ここまでお読みいただきありがとうございます。
国土交通省の事務職として採用されるには根気や努力、コミュニケーション能力が必要になります。
給与や職務内容に興味を持たれた方はぜひ受験を検討してみてください。