公務員になりたいと思っている方、自動車や道路、観光に関する仕事に興味がある方、そんな皆様に向けて、今回は国土交通省のお仕事を紹介したいと思います。
その中でも今回は、私が以前勤務していた地方の出先機関(各地域に拠点を置く組織)に絞ってお話ししますので、「国土交通省で働きたいけど地元から出たくない!」といった思いがある方にも参考になると思います。
この記事を読むことにより、次のようなことがわかります。
・国土交通省の組織形態が分かり、各組織が取り扱う事業や特色などがわかる!
・国土交通省の出先機関での仕事の様子や流れが分かり、イメージが掴める!
・国土交通省の出先機関で働くことが自分に向いているのかがわかる!
国土交通省の事務職はどんな仕事?
冒頭でもお伝えした通り、一口に国土交通省と言っても、勤務場所や業務内容、勤務時間などは様々な種類があります。
勤務場所について
就職先を決める上で、勤務場所を重視する方は多いと思います。
国土交通省は国家公務員ですので、東京都 霞ヶ関にある本省での勤務を想像する人は多いのではないでしょうか。
ですが実体として、本省以外にも各県に国土交通省の事務所、組織は存在しています。
「〇〇県で働きたい!」といった具合に、ピンポイントで場所を選ぶことはできませんが、例えば近畿地方整備局とか、東北運輸局といった具合に地方ごとの採用を行っていますので、採用されればそのエリア内で勤務することができます。
注意が必要なのは、平均2~3年に1度は転勤があること。
どの県に行くのかを選ぶことはできませんし(要望調査はありますが)、転勤に併せて配属部署が変わると業務内容がガラッと変わることもあります。
業務内容について
国土交通省は国家行政のうち「国土」「インフラ」「輸送」「観光」を所管する省庁です。
各地方ではそれぞれの所管業務を大まかに以下の組織が分担しています。
地方整備局
道路や河川、ダムなどの「国土」「インフラ」を所管しています。
地方運輸局
自動車や船、鉄道に関する「輸送」、それぞれの地域の「観光」を所管しています。
地方航空局(東京と大阪のみ)
航空機による「輸送」を所管しています。
興味がある分野はありましたか?
勤務時間について
勤務時間については組織によって異なるのですが、始業時刻は8時から9時、終業時刻は17時から18時の組織が多い印象です。
私が所属していた組織は、フレックスタイムを導入していたため、16時台で終業している人もいました。
さらに土日祝日は休みですので、ワークライフバランスを重視する人にとっては魅力的かもしれませんね。
ただし、上述したのはあくまで基本のお話しです。
繁忙期には残業がありますし、公務の都合による土日出勤がないわけではありません。
残業が多い部署というものも存在します。
国土交通省の事務職の1日の流れとは
1日の流れは部署によってかなり違いますが、ここでは私が経験した部署の基本的な流れを紹介します。
(パターンA)
8:30 出勤 出勤簿押印 パソコンを立ち上げ メールチェック 朝礼
8:45 窓口開始(窓口に立っている間は、トイレや別業務の都合を除き、離席することはありません)
12:00 午前中の窓口終了 昼休み
13:00 午後の受付開始
16:00 午後の受付終了 後処理 担当業務処理
17:15 パソコンのシャットダウン 退勤
この部署は窓口対応がメインの部署で、日によってこの流れが大きく変動することは少ないです。
人によっては退屈に感じてしまうかもしれませんが、窓口が空いている時間が確定している分、残業は少なかった印象です。
(パターンB)
8:30 出勤 出勤簿押印 パソコンを立ち上げ メールチェック
8:45 打ち合わせ資料の確認
9:00 車で打ち合わせ先へ移動
10:00 打ち合わせ先へ到着後、打ち合わせ開始
12:00 お昼休憩のため、一度打ち合わせ先を離席 昼休憩
13:00 再度打ち合わせ先に訪問 打ち合わせ再開
14:00 打ち合わせ終了 職場へ移動
15:00 職場へ到着、打ち合わせ内容を記録 次回打ち合わせの準備、上局(本省などの上位の機関)との連絡調整
17:15 パソコンのシャットダウン 退勤
このパターンは窓口に立つことが少なく、調整業務、コンサルティング業務(語弊があるかもしれませんが、行政から事業を行なっている方に対するアドバイス)がメインの部署です。
スケジュールを書いていて「こんな綺麗に進んだことがあっただろうか」と疑問に感じるほど、日によってスケジュールが異なります。
1日に何件か訪問することもありますし、時期によってキャンペーン(強化項目)などがある場合もありますので、業務の決まった流れというものは存在しません。
出先からの戻りが20時くらいになることもあるなど、残業は多い印象です。
またこの部署は4ヶ月から半年ほど(もっと長い場合もある)の時間をかけて一つの案件に取り組みます。
タスク管理をおろそかにすると業務がうまく捌けなくなるため、調整能力、周りとの協調性などが求められます。
国土交通省の事務職はきつい?
完全な主観になるのですが、国土交通省の地方出先機関の事務職の業務は「責任は伴うしプレッシャーもある中で、人間関係をうまくこなしつつミスなく公務を遂行する」ということが求められるという特性がありますので、それらの要素を満たせていない人にとってはきついと感じると思います。
しかし、一部の部署を除きルーチンワークの要素が強く、窓口業務や書類作成などの事務作業をそつなくこなすことができる人には問題なくこなすことができると思います。
国土交通省の事務職の給料や年収に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
国土交通省の事務職は髪型や髪色、靴は自由?
髪型や服装については、皆さんのイメージ通りかもしれませんが、男性は基本的にスーツ・ネクタイ・革靴着用の方が多いです。
夏場はクールビズ(ノーネクタイ)時期があります。
しかし業務の性質上、式典などの出席や登壇がありますので、そのようなタイミングではさらに場を意識した服装が求められます。
女性はオフィスカジュアルです。
国土交通省の事務職を辞めたくなる理由とは
この点については他の方の参考になるかわかりませんが、私の場合仕事を辞めたくなったタイミングは、「転勤が多い上、行きたかった部署に配属されない」「副業をしたいけどできない」と感じた時です。
私の周りで退職した職員には、人間関係(上司との関係)を理由に退職する人や、キャリアアップ転職をする人がいました。
国土交通省の事務職はやめとけ?
辞めた人間が言うのもどうかと思いますが、悪くない職場だと思っています。
「THE行政の仕事」なので、それが肌に合いそうだったら、また、それぞれの組織が管轄している業務内容に興味があれば候補にしても良いと思います。
土日祝日は休み、福利厚生も充実、給料は平準(良くも悪くも安定している)である点も魅力です。
しかし2年から3年に一度は転勤がありますので、その点はデメリットかと…
国土交通省の事務職に向いている人、向いていない人とは
上述した内容と重複するかもしれませんが、国土交通省の地方出先機関の事務職の業務は、様々な種類の人々との人間関係をうまくこなしつつ、そつなく業務をこなすことが求められますので、それらの能力をバランスよく備えている人が向いていると思います。
特に人間関係については、関わる方々が外部の一般利用者、関係行政機関・団体、同じ職場の職員、上位機関の職員など多岐にわたり、TPOに合わせたコミュニケーションスキルが求められますので、どの業種でも同じだと思いますが、人間関係形成能力は大切になってきます。
逆に、業務内容が一部の部署を除きルーチンワークの要素が強いため、窓口業務や単調な書類作成などの事務作業が苦痛に感じる人には向いていないかもしれません。
国土交通省の事務職の離職率はどれくらい?
人事院(国家公務員の人事を所管する組織)の行なった「一般職の国家公務員の認容状況調査(平成30年1月15日現在)」によると、国家公務員全体の年間の離職率は6.4%という結果になっています。
地方出先機関の離職率は私の体感では3%くらいかと思われます。
100人中3人くらいは離職している感覚です。
国土交通省の事務職の口コミ評判とは
地元や家族、友達受けは上場といったところ。
一目置かれることが多いし、辞めた後も「元公務員」という肩書きで信用してもらえています。
あなたが実際に働いてみた感想や働いている同僚の評判や評価を教えてください。
大事なのはバランス感覚とコミュニケーション!だけど、それより何より業務への興味!
色々と語らせていただきましたが、事務作業をそつなくこなす能力と高いコミュニケーションをおもちの方には、国土交通省の出先機関で働くことは悪くない選択肢だと思います。
ですが、最終的に環境に満足できるかは、管轄業務を好きになれるかどうかにかかっていると思います。
自動車や船、道路などが好きな人はぜひ、受験してみていただきたいです!