市役所に就職したいけど具体的にどんな業務があるのか知りたいと思っている方、生活保護の部署は異動ガチャハズレなのか?
大変そうなイメージだけど、どういう点で大変なのか?
こういった疑問に対し、実際に3年間生活保護の部署に所属した私がエピソードを交えながらお伝えしていきます。
この記事を読めば市役所の仕事をイメージできますし、もし生活保護の部署に配属となった場合に気を付けるべきポイントを知ることができるでしょう。
生活保護(申請や受給開始後の指導)部署の市役所の事務はどんな仕事?
生活保護の部署のメイン業務の一つとして、生活相談があります。
生活保護受給者だけでなく、生活に困っている方の相談窓口を受けていますので生活状況の聞き取りを行います。
窓口に来たからと言ってすぐに生活保護の申請を進めるわけではなく、生活保護の概要を説明し、就職状況、手持ち金、所有財産、家族構成について聞き取りを行います。
また、生活保護を受けるときのルールについても説明します。
具体的には自動車に乗れないことや現在の住居が賃貸で家賃が生活保護基準より高いときは引っ越しを行う必要があること等、受給となったときに想定されるタスクをあらかじめ伝えておきます。
二つ目として、生活保護受給者への家庭訪問があります。
自宅に訪問し生活ができているか面談を行います。
引っ越しをして自宅に住んでいないか、他の方と一緒に住んでいないか、自宅で亡くなっていないか等、生活実態に変化がないか確かめる意味も含まれています。
家庭訪問をしっかりと実施することが非常に重要で、その市に住んでいないのに生活保護費を振り込んでいた場合、居なくなった時からその市での生活保護から外れるため費用を回収しなくてはなりません。
一度、振り込んでしまった生活保護費の回収は大変困難です。
また、お年寄りの受給者の場合は家庭訪問が見守りの面も含まれています。
病気がひどくなり自宅での生活が困難だと申し出があった場合は長期入院の検討や、年齢を重ね認知機能が衰え自宅での生活が困難となった場合はケアマネジャーや地域包括支援センター等と連携を図り、受け入れ可能な施設の検討を行います。
定期的な訪問活動を行うことにより、その方が自宅で孤独死することを防ぐ役割にもなっているので非常に重要な業務です。
生活保護(申請や受給開始後の指導)部署の市役所の事務の1日の流れとは
午前中特に始業開始直後はケース会議を行います。
これは係長や課長等の上席の方を交えながら対象の生活保護受給者の方針を決めるための会議です。
担当者レベルでは判断ができないケースや臨時で生活保護費を支給するケース、生活保護を開始、終了する時などに会議を行います。
午後からは訪問活動を行います。
午前でも全く問題はありませんが、お昼後は自宅に居る確率が体感としてかなり上がります。
また、病院を午前中に済ませる方も多く午後からの方が留守でないことが体感として多かったためこのようなルーティンとなりました。
訪問活動が終わった後の夕方が定時にかけては、訪問活動で聞き取った内容を記録します。
何日に訪問した結果、受給者と接触できたorできなかった、健康面や日ごろの生活の様子等聞き取りしたことを記します。
生活保護(申請や受給開始後の指導)部署の市役所の事務はきつい?
生活保護の部署は、業務上その方の背景や病状を把握したうえで対応しなければならないので、面談や訪問をする前に事前に調べておき、その方の状況に合わせて接客する必要があります。
市役所職員側がその方の状況をよく調べず接客してしまうと、コミュニケーションが上手く取れず関係性が悪くなってしまうおそれがあります。
また、生活保護を受給中でも就職できると判断した方は就労指導が行われます。
基本的には医師の診断書に基づき就労の可否を調べ、就労の指導を行ってもよいか組織的に判断しますが、受給者の中には就職に対して前向きでなく、就職しても長続きせずすぐに辞めてしまうことがあります。
そういった場合でも、根気よく受給者に接し自立した生活ができるよう就労支援等を行います。
市役所の指導に応じない場合や悪質な場合は生活保護の打ち切りもあるため、強硬手段ではありますがこれまでのやり取りや指導した事項に改善が見られなければ不利益処分をすることの説明を行います。
市役所の事務の給料や年収に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
市役所の事務は髪型、髪色や靴は自由?
基本的には自由です。
外出することが多い部署であるため、スーツでなく作業服やスニーカー着用で業務を行うことも認められていました。
髪型に関しても特に規定はなく、常識の範囲内であればヘアースタイルを自由に変えてよかったです。
生活保護(申請や受給開始後の指導)部署の市役所の事務を辞めたくなる理由とは
揉め事の多い部署であるため、休日の呼び出しがあり、その時は嫌になることがありました。
市内で酒を飲んで泥酔し近隣住民に迷惑をかけていると警察より通報があり、現場に向かい指導するといったことも頻繁ではないですが行われます。
また、生活保護費の不正受給が行われた際の費用返還を求めることも多々あるため遊興費等で使いこんでしまった場合などどのように返還を求めるか指導を行います。
生活保護(申請や受給開始後の指導)部署の市役所の事務はやめとけ?
生活保護の部署に関しては正直なところオススメはできません。
イレギュラーなことが頻繁に起こる部署で、休日にも対応することもあるので病んでしまう職員の方も多いです。
また、受給者の中には高圧的であったり、指導に応じてくれない方が居たりするため、仕事が思うように進まないことが多々あります。
生活保護(申請や受給開始後の指導)部署の市役所の事務に向いている人、向いていない人とは
生活保護の部署に適性がある方はどんな相手にも堂々と対応できる方です。
交渉の場面でも、物怖じせず出来ることと出来ないことをきっぱりと伝えることができる能力があると、相手に付け入る隙を与えないでしょう。
また、書類事務や接客を並行してやらないといけない場面が多いのでマルチタスクスキルが備わっている方が望まれます。
市役所の事務の離職率はどれくらい?
離職率は低く、定年退職以外で辞めてしまう方は年に数人程度です。
1つの部署は3年程度で変わるため、変わるまで耐えるという方もいらっしゃいます。
市役所の事務の口コミ評判とは
仕事内容としては重めで、接客や指導など相手にとって不利益なことを伝えなければならず衝突することもあるので、それを負担に感じることが多いです。
親身になって応じる優しさと、出来ることと出来ないことを伝える誠実さを上手く使いこなせることができれば円滑に仕事ができます。
生活保護の部署はキツイ
生活保護の部署は率直に伝えるとキツイと思うことが多い部署です。
相手からの要求が強く自身が病んでしまうということも少なくありません。
自身には合わないと感じたときは上席の方に相談をして異動の希望を出すようにしましょう。
また、自分に合わないからといって悲観するのではなく、自分に合った部署を見つけるチャンスと前向きにとらえましょう。