この記事は現役の学童保育指導員さんが書いています。
ぜひ参考にされて下さいね。
学校といえば、楽しいことだけでなく、集団行動の場としてルールに沿って過ごすことが求められますが、学童は自由に遊び学んでいく場所です。
その分、自分たちのしたいことが中心になってしまい、子ども同士で喧嘩になることもしばしば…。
そんな出来事や経験を乗り越えて成長していく姿を感じることができます。
この記事では、学童保育の指導員の仕事について紹介していきます。
学童保育指導員の仕事内容と1日の流れ
まず学童とはどんなところか?
学童保育といっても色々な形があります。
「就労している保護者の子どもを預かる」というのが一番イメージにあるかと思いますが、今では放課後子ども教室、〇〇キッズという名前で就労家庭に関わらず、子どもが来る場所を提供するというものもあります。
また学童の仕事内容も会社によって様々です。
英語やプログラミングといった勉学に特化した学童もあれば、学童内にあるおもちゃで遊んだり、クリスマスやハロウィンなどといった日常を感じるイベントをしたりする学童もあります。
学童はそういった特色を楽しみつつ子どもの成長を見ることができるお仕事です。
1日の流れは?
基本的には学校が終わった後の仕事になるので、出勤は遅めの10時が一般的です。
子どもたちが来るまでは、イベントの企画や準備、おやつの注文、おたよりの発行、子どもたちの様子の共有などを行っています。
子どもが帰ってきてからは、おやつを食べて、遊んで、勉強して、ひらすら子どもが向き合います。
春休み、夏休み、冬休みなど学校が休みの日は朝から運営を行っており、会社や施設によっては土曜日も開いているため、勤務になることがあります。
朝から開いているからといって子どもたちが早く帰るわけではないため、学校が長期休みの時は残業は増える傾向にあります。
学童保育の指導員に必要な資格
学童保育専門の資格は放課後支援員という資格があります。
この資格は保育士、教員免許、社会福祉士等を持っていれば受講することができ、研修を経て取得します。
他にも児童福祉事業に2年以上に勤務していると受講することができるため、保育士等の資格を持っていない方でも、実務経験を重ねることで取得することができる資格です。
学童保育の指導員は辛い
学童保育は楽しいことばかりではありません。
就労している家庭の子どもの中には、前向きに学童に通っている子どもばかりではなく、中々家族での時間をとることができず、寂しい思いをしている子、学童ではなく、友達と外で過ごしたいと思っている子など様々です。
そういった気持ちが友達や指導員に怒りとして向かってくることもあります。
中学年や高学年になってくると、思春期も始まりコミュニケーションが難しく感じることも多いです。
また、保護者からの対応も難しいところです。
直接お話をする機会が少ないご家庭もあり、連絡帳やお電話でお子様の様子を伝える事があります。
声のトーン、出来事の伝え方、少しのニュアンスの違いが不信感に繋がることもあるのです。
学童保育の指導員が続かない理由
学童にきている子ども全員が指導員を好きというわけではなく、時にはひどい言葉を投げかけられることもあります。
身体も大きくなってきて、自分の可能性以上の動きをする子どももおり、怪我の心配を増えます。
そんな危険と隣り合わせのお仕事です。
ただ、お給料はそんなに多くはないため自分の生活水準やスキルアップを考えると転職を考え、辞めていく人も少なくありません。
学童保育の指導員によくある苦情とは
最初に学童の種類についてお伝えをしましたが、保護者の方の中でもその種類の違いを知っている家庭は多くありません。
放課後子ども教室は学校内の教室で運営しており、おやつの提供がありません。
学校を終えて家に帰宅するまで時間が長く、おやつを食べさせてほしいという声を聞きます。
また子ども同士でトラブルがあった際、保護者に内容をお伝えすることも仕事の一つです。
その中で喧嘩をした相手と関わらせないようにと要望を仰る方がいます。
もちろん大事になることは避けなければなりません。
ただ、関係が噛み合わないからといって距離を作ってしまうのではなく、自分以外の考えの人がいるということも学んでいくことも必要と考えています。
学童保育指導員に向いている人はこんな人
働く上で、まず自分が楽しむ事です。
子どもは意外と大人の気持ちも見透かしています。
自分が楽しまなければ、子どもも笑顔を見せてはくれません。
子どもと同じ目線で過ごす事ができる人で成長する姿をやりがいとして見守れる人が向いています。
またどの子どもには対等にかかわる事ができる人です。
子どもによってはいつもトラブルになってしまう子、自分中心に過ごしている子など対応が難しい子もいれば、優しく友達思いで指導員のお手伝いまでしてくれる子もいます。
色んな子どもがいる中で対等に関わっていくことに重きを置ける人が向いています。
学童保育指導員に向いていない人はこんな人
学童指導員に向いている人は、子どもの成長をやりがいとして見出せる人です。
ただその成長には波があります。
昨日出来ていた事が今日は出来なくなっている、昨日仲良く遊んでいた二人が今日は大喧嘩をしているなど、進んでは後退して進んでは後退して…の繰り返しです。
そうやって積み重ねていった先に成長を見る事ができます。
その成長と根気強く向き合えなければ向かないと思います。
また子どもと大人で線引きをして子どもと同じ目線で楽しむ事ができない人は、子供にとっても面白くない、一緒にいて楽しくない大人になってしまうため向かないかと思います。
対等な立場として一緒に成長していく
子どもだからと生半可な気持ちで向き合ってはいけません。
子どもたちは「この人はちゃんと見てくれている」「話を聞いてくれる」「この人はいつも怒ってばかり」「同じ子と遊んでばかり」など少しずつ感じた気持ちを積み重ねて覚えています。
そういった姿から子どもからの信用は大きく変わっていきます。
時には大人びた姿や考えにハッとする事があります。
子どもだけでなく、自分自身も成長していける、そんなお仕事です。