事務は事務でもちょっと変わった仕事がしたい!
ずっとデスクワークはしんどいから、たまに外出もあったらいいな!
弁護士が知り合いにいたらいいかも!
そんな人におすすめの職業「法律事務所の事務員」について紹介します。
法律事務所といっても、弁護士1人・事務員1~2人の小さな事務所から従業員数100人以上が在籍するような大手事務所まで、さまざまな事務所があります。
ここでは、大きくも小さくもない、私が働いている弁護士7人・事務員8人の法律事務所の中身を一緒に見ていきましょう!
法律事務所の事務はどんな仕事?
法律事務所の事務員は「なんでも屋さん」。
法律事務所の事務員の仕事って本当に色々なことをします。
よく言われる①秘書業務と②法律事務が主な仕事内容になり、そのほかに③案件ごとの特殊な仕事があります。
①秘書業務
電話対応・郵便整理・来客対応・弁護士のスケジュール管理
②法律事務
住民票などの公的書類の請求・書面チェック(判例や文献のダブルチェック)。
慣れてくれば、簡単な法的書面の土台を作成することも(もちろん弁護士の指示のもと。事務員だけで作業したら犯罪ですよ)。
③案件ごとの特殊な仕事
特殊1:会社の破産事件では元従業員の給与計算・会社が使っていた電話やネットの解約・決算書作成にかかる証拠集め(請求書とか)・在庫商品の売却・販売会
特殊2:ある相続案件で納骨するのにお寺と話し合い
特殊3:事務所のシュレッダーが壊れた!見積りをとってどのシュレッダーが良いか検討(企業のように部署が細かく分かれていないので、こういうことが起きます)
法律事務所の事務の1日の流れとは
とある私の1日。
9時・・・事務所内清掃後、業務開始(今日は書面チェックが2つ、ひとつは裁判所に出す書面(2ページなんてことあればページほどの大作になることも)、もうひとつは弁護士が執筆する本の原稿)
12時・・・お昼休憩
13時・・・郵便局や銀行
14時・・・朝の書面チェックの続き
16時・・・裁判所・弁護士会回り
17時半・・退勤
書面チェックでは文献や証拠、法令を確認したり、単純な誤字脱字を見つけます。
郵便局や銀行(口座開設・解約は頻繁にある)、裁判所・弁護士会へは用事があれば行きます。
法律事務所の事務はきつい?
担当制なことが多いから、担当している事件の大きさで残業が続くことも…
ただ体力的にというよりは精神面では結構大変なお仕事と言えそうです。
主に刑事事件を扱う法律事務所では、証拠として出される写真がやはりショッキングなものもあるそうで、うっかり郵便開けたらとんでもない写真だったとかも聞いたことがあります。
私が経験した会社の破産事件だと、関係者から怒鳴られることもしばしば。
(なぜ破産したのか、お金を返せ、などなど)
法律事務所の事務員は危険?
私が働いている法律事務所は民事事件だけを扱っているので、直接的に事務員が危険にさらされるという経験は一度もありません。
だけど中には話し合いの中で興奮した依頼者がけんか腰になり、大声を出すようなことも。
そんな時にはササっと男性弁護士が自分に事件じゃなくても出てきてくれます。頼もしい!
刑事事件が多い法律事務所のことはわかりませんが、基本的に弁護士は事務員のことを守ってくれます。
あくまでも事務員が弁護士のサポート役だからというのがあると思います。
主体になって批判されることは無いと思います。
法律事務所の事務を辞めたくなる理由とは
やはり精神的にきつい時があるので、そんな時は辞めたくなります。
例えば、
・お金が絡むことが多いので、事件が始まると依頼者の人生を預かるというような心的負担
・提出期限ぎりぎりで弁護士が書面を作成すると、タイトなスケジュールで進めなきゃいけない
・電話、大きな破産事件の場合、1日中クレーム対応なんてことも
・人間関係(どこの社会にも存在しますよね)
これらが続くと「しんどい」となります。
少し違いますが、仲良くしている弁護士が独立することになって、ずっと担当してきた事務員が一緒に事務所を出る(いわゆる引き抜き)というパターンもこの業界ではよく聞きます。
法律事務所の事務はやめとけ?
じゃあ実際どうなのか?
法律事務所で2年ほど勤めることができれば、浅いものの法的見解がなんとなく身につくので、人生経験として良いように思います。
メリットデメリットを考えるなら…
メリット
弁護士の知り合いができる
私自身、仲良くしてくれている弁護士に無料で法律相談したことがあり、大変助かりました
デメリット
とにかく人間関係
弁護士という専門性の高い職業の人(医者とかもかしら?)は変な人、ものすごくえらそうな人も少なくない(もちろんとても人間性の素晴らしい人も多いよ)
弁護士にしても同僚の事務員にしても、事務所が小さいとその分、関わる人が限られるから、合わないと本当に大変だと思います。
結論、事務所次第…ということでしょうか。
法律事務所の事務に向いている人、向いていない人とは
向いている人:細かい作業が好きな人、人が好きな人
向いていない人:雑すぎる人
法律事務所の事務員は、弁護士のサポート役なので、自分が引っ張って仕事を進めたい人には楽しくない仕事だと思います。
(事務員で判断する場面もありますが、基本は、最終判断は弁護士です)
法律事務所の事務の離職率はどれくらい?
私の働く法律事務所は、ここ7年ほどはメンバーに変わりなく、平和な環境です。
一般的に考えて辞めたくなる一番の原因は人間関係だと思います。
どの業種にも言えることですが、求人が定期的に出ているところは要注意です。
法律事務所の事務職の給料や年収に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
法律事務所の事務の口コミ評判とは
担当する事件や依頼者によって仕事内容がガラッと変わったりするので、飽きの来ない仕事だと思います。
働きたいなと思う法律事務所があったら、その事務所のホームページを確認してみてはいかがでしょうか。
所長弁護士のカラーが分かり、取り扱う事件(刑事事件、交通事故、相続、破産事件など)を見れば、あなたに合う事務所が少しでも見つかるかも。
法律事務所は面白いが、人間関係に気をつけろ!
どうでしたか。
事務員が裁判に出て「裁判長!」なんていうドラマのような華やかさはないけれど、法律事務所で飛び交う言葉には「裁判所」「事件」「原告・被告」「証拠」「~先生」など、働き始めにはちょっとくすぐったいセリフも多くあって面白い職業のひとつと言えそう!
事務は事務でも少し変わった世界、あなたも覗いてみては?