看護師として働く中で、大切にしたいことは、個人目標の設定ではないでしょうか。
日々の仕事の中で成長を感じるためには、自分の立てた目標を意識し、行動していくことが重要です。
いきなり高い目標を立ててしまい結局達成できなかったとなると、自信喪失にもつながりかねません。
今回は達成感を得られるような看護師の個人目標の立て方についてご紹介していきます。
年代別目標の例もご紹介したいと思いますのでぜひ参考にしてもらいたいと思います。
新人看護師1年目の目標例
新人看護師の場合、まずは、毎日病院に出勤している自分自身をほめてあげることが重要です。
新人看護師は、慣れない業務を覚えたり、先輩や上司、患者さんとの人間関係を築いたり、覚えることやしなければならないことがたくさんあります。
毎日疲れ切って、「仕事に行きたくない…」と感じることもあるかもしれません。
ほとんどの職場で、前期、後期において看護師の個人目標を立てる機会が必ずあります。
その際に、新人として入った自分と、前期もしくは後期が終わった自分とどのように変化しているのか、具体的にわかるように目標を立てるとよいでしょう。
ポイントとしては、大きな成長ではなく、本当に当たり前で些細な事を最初は目標として掲げるのがお勧めです。
例えば、「ナースコールは3回以内に応答する」「物品の場所をしっかり覚える」「病院の電話には率先して出るようにする」「患者さんと積極的にコミュニケーションをとる」など、日々の業務の中で、意識出来ることを目標としてあげるとよいでしょう。
看護師2年目の目標例
看護師2年目となると、後輩が出来るようになります。
まだプリセプターとなるのは早いですが、先輩として、後輩のお手本になるようにしたいところです。
しかし、注意したいのが「仕事慣れ」です。
看護師2年目となると今度は、周囲の視線が新しい新人に向きがちで、仕事に慣れてきていることから、ミスを起こしがちになります。
ちょうど、知識も技術もそれなりに習得している頃でしょうから、自分の看護師としての知識や技術について目標を立てることをおすすめします。
例えば「看護師研修に〇月までに■回参加する」「勉強会で学んだことをアウトプットするために報告書を●日以内に作成する」などがいいでしょう。
看護師3年目の個人目標例
3年目となると、新人教育や新人指導に入ることがあります。
その時、新人のお手本となるように自分の知識を再確認する必要があります。
知識、技術の再取得、確認、コーチング技術の勉強などを始めてもいいかもしれません。
また、3年目となると1人前として扱われることもあり、業務をしっかり任せてもらえることが増えてきます。
具体的な目標としては、「カンファレンスで自分の意見をしっかり発言する」「プリセプティと業務の振り返りを毎日行う」「〇月までに自分の担当患者さんのカンファレンスを■回行い、評価を見直す」などがいいでしょう。
看護師4年目の目標例
4年目は、リーダー業務を任されることが多くなります。
リーダー業務はチーム全体のリーダーですべての業務を把握し、進捗状況をみて仕事内容の判断をしなければいけません。
急な入院の受け入れ、急変時の対応など様々な判断力が養われる時期でもあります。
「リーダーとしてチーム内の業務の把握を行うことができる」「急な入院などイレギュラーな状況でも落ち着いて対応できる」「判断能力を養うために毎回患者さんのラウンドを行う」という目標がいいでしょう。
看護師5年目の目標例
5年目というと自分の看護を自分で発展させることができ、看護師としてのやりがいを感じるころかもしれません。
看護学生の実習指導を任されるのもこの時期です。
そしてリーダー業務にも慣れてきて、自分が看護師としてどのようになりたいか、明確になる時期でもあります。
看護研究などにも積極的に励むことができ、より臨床での看護を深めることが出来るでしょう。
このころの目標としては、「メンバー間、多職種と連携をとり業務の調整ができるようになる」「病棟全体の目標達成のために中心的に動くことができる」「看護学生の実習指導者として知識、技術を深め実践できる」などがいいでしょう。
チームリーダーの目標設定 例 看護師
看護師のリームリーダーは、目標達成のために、チームをどのように引っ張っていき、いつ、どのように物事を動かしていくか、ということが重要になります。
大きな仕事としては「チームの目標設定」「各看護師の業務内容の計画を立てる」「業務量の調整」「看護師のサポート」を行う必要があります。
「チーム全体の仕事を把握し、優先順位をつけて業務を効率よく行う」「積極的に声をだし、看護師に指示や助言を行う」「看護師の負担が平等になるように業務調整を適切に行う」などがよいでしょう。
主任看護師の個人目標の例は
主任は、管理職として、病棟全体を統括し、なおかつ師長の右腕となって病棟を管理していく必要があります。
それだけではなく、スタッフが病棟でいきいきと働きやすい環境づくりやそのケアなども行う必要があります。
個人目標の例としては以下のようなものが挙げられます。
・看護師個人の成長が促されるように、行動の評価、フィードバックを行う
・業務全般において、すべての看護師の模範となるように心がける
・事故が起こった場合、もしくは起こりそうになった場合、冷静に適切な判断を行い、再発防止につとめ、フォロー体制を整える
主任だからといって、すべてが完璧にできるわけではありません。
自分の苦手とする分野に関しては積極的に目標を立てて、改善に努めましょう。
看護師長の目標設定はどうすればいい?
看護師長は、その病棟すべてをマネジメントする重要な役割があります。
また看護師の育成にあたったり、他部署・他部門との連絡調整をしたりすることも仕事として挙げられます。
決して、看護師長のワンマンだけでは病棟やスタッフは守ることが出来ません。
看護師の目標の対象は患者であるのに対し、看護師長の目標の対象は病棟です。
病棟の看護の質をあげるためには何をどのようにすべきか、ということが看護師長の考えるべき点なのです。
やり切った!と思えるような目標設定を
看護師の個人目標を立てるときは、自分が達成できそうな目標を立てることが大切です。
簡単に設定すると、看護師としての自分の成長を妨げることになりかねません。
看護師としての成長のチャンスと考え、振り返ったときにやり切った!と思えるような目標設定をするとよいですね。