「不動産の売買仲介業ってどんな仕事?」
「実際に何をやるの?」「向いている人は?」
不動産の売買仲介営業と聞いても、分かるようで分からない方が多いのではないでしょうか?
この記事では、そもそもの不動産の売買仲介営業についてや、仕事の内容、必要な資格、向き不向きなどを解説しています。
今後、この業界に転職を考えている方に、お役に立てる情報となっています。
不動産の売買仲介営業とは
不動産売買仲介営業は、「不動産を売りたい人」と「不動産を買いたい人」とを結びつけることにより成立します。
そのため営業職の中でも、商品価値よりも提供サービスが求められる仕事です。
一般的な営業販売職は、自社商品を売ること。
他の会社の商品は売れません。
不動産仲介業は、他人の不動産の売却依頼を受けて、他人に販売する仕事なので、他の会社の不動産も取り扱いができます。
つまりお客様の探している条件を、すべての会社の不動産から探して紹介することができます。
扱っている商品はどの会社も同じなので、「どの会社を通して、誰から買うか」をお客様が自由に選択できます。
求められるサービスも高いですが、やりがいも多くあります。
「私達のために、本当に有難うございます」「○○さんのお陰で家族が安心して暮らせます」など高額商品の取引を、お客様の指名によりお手伝いする不動産の売買仲介営業という仕事は非常に感謝されることが多い仕事でもあります。
不動産の売買仲介営業の仕事内容は
不動産売買仲介営業の仕事は、大きく分けると購入、売却、事務に分けられます。
購入
・不動産の案内説明
・融資や登記の段取り
・引き渡し
売却
・査定
・調査
・販売活動
・引き渡し
事務
・案内書類作成
・広告作成
・契約書類作成
正直、行う仕事は非常に多くあり、ブラック企業化しているところも、多くある業界です。
もし不動産売買仲介営業へ転職を考えている方は、仕事の割り振りや内容を把握して検討しましょう。
昨今では分業化が進んでいる企業もあり、事務は事務員が行う、調査は専属スタッフなどに分けている企業もあります。
昔ながらの不動産屋さんや、不動仲介営業が主業務でない企業は上記の仕事をすべて一人で行っていることが多いです。
不動産の売買仲介営業の1日の仕事の流れは
仕事の流れは、平日と土日祝日で大きく変わります。
平日は土日の準備や事務作業がメインとなり、土日祝日はお客様対応がメインとなります。
【平日の例】
9:00 出勤
・ミーティング
・メール対応、新着物件チェック
10:00 進行案件対応
・銀行、司法書士、測量士などへ連絡
・物件資料作成、契約資料作成
12:00 昼
13:00 現地移動
・物件の調査
・写真撮影
15:00 書類等の整理作成
・調査関係資料をまとめ
・広告作成、写真掲載
17:00 お客様連絡
・電話やメールでお客様に情報発信、アポ取り
19:00 帰社
不動産売買仲介営業の1日のスケジュールは、ほとんどのケースで自分で決定することになりますので、効率よくどのように計画をするかで成績が異なってきます。
不動産の売買仲介営業に必要な資格や免許の難易度は
【必要な資格】
不動産仲介営業に必要な資格はありません。
新卒未経験でも仕事をすることができます。
「あれ宅建免許(宅地建物取引士)は?」と思われる方もいると思います。
宅建免許があるとできる独占業務は以下の3つのみです。
・重要事項説明
・重要事項説明書への記名押印
・売買契約書への記名押印
宅建免許は契約手続きで必要となるだけなので、不動産仲介営業をすることにおいては宅建免許が必須という訳ではありません。
といっても、最低限必要な知識としてほとんどの不動産仲介営業をやっている方は取得していますので、不動産仲介営業として仕事をしていくのなら必ず必要となる免許であることは確かです。
【難易度】
宅建免許は国家資格の中では、比較的難易度が低い試験です。
しかし年間20万人が受験し、合格するのは3万人程度。
ほとんどの方は合格していません。
それでも、比較的難易度が低いとされる理由は以下の3点です。
・受験資格が不要で、誰でも受験ができること
・不動産業界に就職して一定の条件を満たすと5点免除が適用されること
・4択制なので取捨選択で回答できること
平均勉強時間の300-400時間を勉強すれば、決して合格は遠いものではないはずです。
さらに過去の合格者で最年少は13歳の中学生、また最年長は89歳と非常に幅広い年代の方が合格しています。
どうですか!?
あなたも合格できると思いませんか!?
不動産の売買仲介の営業マンのきつさや給料、年収に関してはこちらの記事で実際の営業マンが解説していますのでご覧ください。
🔗不動産の売買仲介営業はきつい?給料や年収、実際の口コミや評判とは!
不動産の売買仲介営業のやりがいについて
達成感とともにお客様から感謝され喜ばれる仕事
不動産売買は、「一生に1度」と言われるほど、ほとんどの方が普段関わることが少ない取引の1つです。
そのため何から始めていいのか、どんな流れなのか、どういうことが注意点なのか、一般の方は何も分からず非常に困ってしまいます。
そんな時に頼れるパートナーになるのが仲介営業という仕事です。
物件探し、資金計画、銀行交渉など売買取引に関連する全てのことを段取りし、一般のお客様が安心安全に不動産を取引するお手伝いをします。
一生に一度、金額が高額、何もわからない、と言うことからお客様にとって不動産売買仲介営業は不動産売買のプロフェッショナルとして非常に頼られ、感謝される仕事です。
この仕事をしているとお客様からの頂き物も多く、ときには手書きの手紙も頂くことがあります。
仕事としてお客様からお金をいただき、さらに感謝までされるこの仕事は非常にやりがいがある仕事です。
不動産の売買仲介営業に向いている人向いていない人とは
【向いている人】
・初対面の人でも気軽に話せる
不動産は一生のうちに一度だけ取引をするという方がほとんどです。
リピーターでも10年に1回取引をすれば頻度は非常に多い方です。
そのため初対面の方と話をすることが非常に多くあります。
そんなとき、誰とでも気軽に話ができることは、この仕事における前提条件となります。
・新しいこと、調べることが好き
不動産仲介営業は知識の宝庫。
10年やってもまだまだ新しい知識が多く出てきます。
建物の構造や設備は日々新しい物が出てきます。
宅建業法、民法、税法などの取引に関わる法律も毎年更新されるので、その都度調べて覚えなければなりません。
調べることが好きな方や新しいこと好きな方には飽きずに仕事ができます。
・体力、バイタリティがある
どれだけ働き方改革が進もうと、やはり一生に一度の不動産売買取引を扱う営業に求められるものは非常に大きいです。
休日の電話1本で数千万円の取引が無くなってしまったということもあります。
さらにスーツに革靴を履いていても、現場で看板の設置や解体中の確認など現場仕事も多くあるので、体力は必要不可欠です。
【向いていない人】
・人と対面したくない
デジタル化の進歩が一番遅い業界といわれる不動産業界でも、VR内見やオンライン相談が増えてきました。
しかし、数千万円以上する買い物をオンラインだけで完結する方は非常に少ないです。
やはり実際に目で見て相談して、決めるという方が多いので、人と対面したくない方は不向きです。
・同じ作業をやり続けたい
不動産の売買仲介営業は、一つとして同じ取引がありません。
過去に隣の家を取引していても、同じ取引になることは絶対ありませんし、お客様の状況によっても対応が全く異なってしまいます。
その都度取引に合わせた調査や段取り等が発生するので、決められた作業だけをやり続ける人には向いていません。
・適当、大雑把
どの仕事においても、適当や大雑把は求められないと思いますが、不動産の売買仲介営業は特に注意が必要です。
他人の不動産を調査、説明して他人に売る仕事だからです。
どんなに調査しても分からないことがあります。
どんなに説明しても理解して貰えないこともあります。
どれだけ丁寧に細かくやっていてもトラブルになることがあるのです。
だから適当や大雑把などでは仕事が成立しません。
不動産の売買仲介営業になるまでの道のりや方法は
1.不動産会社へ就職する
不動産の売買仲介営業になるための入り口は広く募られており、年齢や職歴に問わず入社できるところが多いです。
2.宅建を取得する
事前に取得して就職する方もいますが、入社してからでも遅くありません。
営業をするにあたっては資格は不要です。
しかし、次に転職することなどを考えると2年以内には取得していきましょう。
3.多くの取引に携わる
とにかく不動産取引は様々です。
土地、中古戸建、新築戸建、中古マンション、新築マンション、アパート、工場など…
さらに様々な条件で取引をするので多くの取引に携わることにより、お客様に提案できるサービスレベルも向上します。
不動産の売買仲介営業に興味のある方はチャレンジしてみてください!!
ここまで、不動産の売買仲介営業について、たくさん説明してきましたが、実際のところは働いて経験しないとわからないと思います。
というのもこの記事を書いている私は、不動産の売買仲介営業という仕事を10年携わっており、200件以上の売買取引を行ってきました。
今では採用や育成も任される立場となり、この業界の未来にも関心を傾けています。
そんな私も、かつてはコミュニケーション能力があまり無く、人前に立つのが苦手で、営業なんて自分にできるのかなと日々思っていました。
当時の私は転職活動中の無職でした。
はじめからすべて上手くいく人はいない…
最初は、全く上手くいきませんでした。
お客様のアポは取れない、書類は忘れる。
でも必死に必死に業務を覚えて、気づいたら今の立ち位置に居ました。
この記事で向き不向きをまとめましたが、正直言って当時の私はきっと不向きだと思います。
それでも、なんとかやれ来れたのですから…
きっとあなたにもできます!
ぜひ、興味のある方はチャレンジしてみてください!
この記事があなたの背中を押すきっかけの一歩となれば幸いです。