皆さん、薬局には行ったことありますか。
多分ほとんどの人は病院で出された処方せんを薬局の人に渡して少し待てば薬剤師に呼ばれて薬をもらうといった経験があると思います。
薬局で私たちの処方せんを初めに受け取ってくれる人は調剤事務の方です。
でも調剤事務ってどんなことをしているのでしょう。
この記事では、「調剤薬局の事務員の仕事って何をやっているの?」「ぶっちゃけ大変?」といったような内容を、現在は退職しましたが大手調剤薬局で4年程勤めていたので、そこでの実体験を入れつつ調剤事務の紹介をしていきます。
ちなみに、私が調剤事務に興味を持った理由は「薬局の事務って楽だし結構楽しいらしいよ」と友達に勧められたからです。
でも私が初めて配属になった店舗はかなり忙しいところで全然楽じゃなかったです(笑)。
元調剤事務の本音として見てもらえれば幸いです!
調剤薬局の事務はどんな仕事?
調剤薬局の主な仕事は処方せんの入力・患者対応・レセプト業務・OTCの販売、伝票処理など事務的処理等があります。
特に、処方せんの入力かなり重要な仕事だと思います。
患者様から受け取った処方せんに書いてある内容をパソコンに入力するだけなので簡単なのでは?と思うかもしれません。
ここで入力ミスを起こしてしまうと調剤してくれる薬剤師も入力ミスに気付かず間違った分量で患者様に薬を提供してしまうといったケースもあります。
私自身もこのようなケースを起こして患者様を怒らせてしまったことがあります。
処方せん入力で大事なことは「正確性」と「スピード」だと思います。
一つ目の「正確性」はさっき言ったようなケースを起こさないために処方内容を正確に入力することです。
二つ目の「スピード」に関しては患者様に少しでも早く薬を渡して帰っていただくためです。
私は調剤薬局を3店舗経験しましたが「薬はまだできないのか」と言ってくる患者様は絶対にいました。
なので、なるべく早く入力をして薬剤師に回すようにしましょう。
また、調剤事務は事務職ですが販売といった接客もあるので人と会話をするのが得意な人にも向いていると思います。
私は調剤事務でかなりコミュニケーション能力を培うことができました!
調剤薬局の事務の1日の流れとは
大規模店舗での1日(1日の患者数300人)
~8:45~ 開店準備
~9:00~ 薬局開店!
開店前から待っている患者様もいるので朝から処方せん入力に追われることも。
~10:00~
徐々に患者様が増えてきて薬局内が賑やかに。
事務は入力に追われてめちゃくちゃ忙しくなります。
日にも寄りますが14時や15時くらいまでは忙しいのがずっと続きます。
~12:00~ 昼休憩
~13:00~
処方せん入力やOTCの販売、患者対応などをやっていきます、正直目が回ります。
~16:00~
患者様が減ってくる時間帯なのでレジの精算処理やレセプト業務など事務仕事をしたり、店内の掃除などをしていきます。
~17:45~ 閉店作業
~18:00~ 退勤
一日お疲れ様でした。
調剤薬局の事務はきつい?
忙しい店舗だときついと感じることが多いと思います。
処方せんの入力以外にもレセプト業務や患者対応などやらなければならない業務が多いのでギャップを感じて辞めていく人も見ました。
事務員が3.4人と多くいれば業務の分担ができますが、2人以下だと時間に追われる毎日でした。
仮に患者数が100人だとすると2人の事務員だと一人あたり50枚くらいの処方せんを入力することになります。
反対に、暇な店舗だと患者数も少ないので事務員は基本1人だったところもあります。
患者数も少ないので処方せんの入力も減るので事務作業に充てる時間が増えていき、ゆったりとしながら仕事ができます。
私は、あまりにも暇すぎる店舗はやる仕事がなくなり時間の流れが遅くなるのが苦痛でした。
調剤薬局の事務の給料や年収に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
調剤薬局の事務はネイルや髪型、髪色や靴は自由?
私が勤めていた会社はかなり厳しかったです。
ネイル禁止、髪色も暗めしかダメでした。
店舗によってゆるいところもあるのでかなり茶髪な事務の先輩もいらっしゃいました。
髪型は基本なんでもOKでしたが長い髪の場合はゴムで括っていました。
靴は会社で支給されたナースシューズを履いていました。
医療職なのでどうしても清潔さを求められてしまいます。
調剤薬局の事務を辞めたくなる理由とは
私が退職した理由の一つとして仕事量に対して給料が見合っていないと感じたからです。
調剤事務の主な仕事以外にも介護施設へ薬を配達したりなど出張業務も多かったのと毎月会社からこの医薬品を売り込めと営業のようなノルマもありました。
やりがいも感じることもありましたが、出張しても何か手当がつくわけでもなく、ノルマを達成しても賞与がよくなるといったことはありませんでした。
仕事量が多く余裕のない日々が続きストレスがたまる一方だったのと、給料もほぼ最低賃金で昇給も雀の涙程度だったので割に合わないと思い転職することを決意しました。
調剤薬局の事務はやめとけ?
正直なところ店舗によるのでなんとも言えません。
業務自体はそこまで難しくはないと思いますが、大手チェーンはOTCの売り込みやかかりつけ薬剤師を勧めるなどノルマが多いのでしんどく感じることが多いでしょう。
私はおそらくノルマがほとんどないであろう中規模から小規模くらいの店舗をおすすめします。
あとは、調剤事務・薬剤師と連携して業務を行うのでチームプレーができない人がいると最悪です。
最悪の場合店舗が回らなくなる可能性も出てくるので人間関係もかなり重要なポイントになってきます。
調剤薬局の事務に向いている人、向いていない人とは
向いている人
気遣いのできる人:薬局には具合の悪い方がよく来ます。
受付業務の大事ですが店内を見渡して何か助けを求めている患者様などがいないだろうか、もしいれば「大丈夫ですか。何かありましたか。」といった一言声をかけるといった思いやりの心が必要です。
コミュニケーション能力がある人:患者様と話す機会が多いのでコミュニケーション能力が試されてきます。
患者様から聞いた情報を薬剤師に伝えることもあるので薬剤師とも話せるようになっておかなければなりません。
向いていない人
パソコン操作が苦手な人:処方せんの入力はパソコンを使って行うのでパソコンに苦手意識があると苦労するでしょう。
レセプト業務はシステムにもよりますが複雑な作業を行う可能性があるのである程度パソコンに慣れている方がいいでしょう。
調剤薬局の事務の離職率はどれくらい?
私が勤めていた会社は離職率が高いと感じました。
後輩で1年足らずでやめてしまった人もいました。
結婚してやめる方も多かったので若い人はすぐ辞めていく印象がありました。
給料が安く昇給も少ないので将来性を感じなくなってしまうのではないかと思います。
調剤薬局の事務の口コミ評判とは
仕事量と給料が見合っていないなと思いました。
レセプト業務をしているとレセプト手当がつくところがあったのですがそういうのもなかったです。
新規店舗が次々とできていったのでそこに人員を取られてしまったのでギリギリの人数で回していました。
上司に増員してほしいとお願いしても、求人を出しているが応募が来ないなど何か理由を付けられて断られていました。
正直上の人は数字でしか見ていなのかなと思うことが多かったです。
従業員を大切にしてくれないところにずっと働き続けるのはしんどいです。
私の先輩でもそういった日々の不満が溜まりしんどく感じたので退職を決意した方もいました。
おわりに
いかがでしたか。
調剤事務って具体的にどんなことをやっているのか少しでもわかっていただけば嬉しいです。
私も入社当初は仕事量の多さにギャップを感じました。
でも働いて良かったと思うことがたくさんあります。
処方せんの入力も何度もやればパソコン操作のスピードも速くなるのでタイピングが早くなります。
患者対応でコミュニケーション能力を培うことができたなど社会人として大事なことが学べます。
あと、薬にもちょっとだけ詳しくなれます。
未経験でも雇ってもらえることも多いので事務初心者の方に向いていると思います。