病棟によって働く環境は大きく違います。
同じ看護師でも病棟によって勤務形態や業務内容が違うので、病院選びや配属希望を出すときは可能な限り情報を知りたいですよね。
今回は、急性期の内科病棟での勤務経験があるわたしが仕事について紹介していきます。
記事を読めば急性期の内科病棟の内情が分かります。
最後まで読んでみてくださいね。
急性期の内科病棟の看護師はきつい?
きついかきつくないかと言われたら、正直「キツイ」です。
わたしが感じた急性期の内科病棟のきついところを5つ挙げます。
①診療科目が多岐にわたるため、豊富な知識が必要
わたしは看護師人生をスタートした病棟が急性期の内科病棟でした。
新人で知識は教科書レベル、技術なんてありません。
その状態から日々肺炎、糖尿病、脳梗塞、心不全などジャンルがバラバラな患者様の看護をします。
勉強が追い付かないので家に帰ってから勉強したり、帰る前に次の日の受け持ち表を見て疾患を勉強し観察項目を挙げてから出勤するなど家に帰ってからも勉強の日々が続きました。
新人なら当たり前かもしれませんが、きつかったです。
②日常生活援助が多い
食事介助、排泄介助、清潔介助など患者様が「人」として生きていくために必要な援助が多いことです。
寝たきりの方が半分を占めていたので、排泄介助や体位変換で夜勤は腰が痛くなります。
体力的にきついです。
③使用する医療器具が多い
吸引や注射、点滴はもちろん人工呼吸器、腹膜透析など幅広い医療機器を取り扱います。
これも勉強しなければなりません。
人工呼吸器などは、患者様の命に直結している機械なので扱いも慎重に行わなければなりませんし、患者様の状態観察も入念に行います。
緊張感が伴うものは精神的にきついです。
④急変が多い
急性期なので急変が多いです。
巡回にまわると呼吸停止していたということが結構あります。
わたしが体験したのは、夜勤中1人看取り、1人急変し夜勤で人工呼吸器装着、1人緊急入院が来るという夜勤がありました。
これらを看護師3名で対応したので、朝日勤者に申し送りをした後はしばらく放心して動けなかったです。
⑤看取りが多い
入院される患者様は疾患があり高齢です。
当然ながら看取りも多いです。
多い時は日勤・夜勤合わせて1日で5人看取るということもありました。
高齢だから、病気の進行が早かったなど色々重なりやむを得ない状況がほとんどですが、身近に関わってきた患者様看取るのは辛いです。
きついながらも患者様から「ありがとう」と感謝の言葉をいただいたり、自分が考えた看護計画が患者様に良い影響をもたらすことができたときはやりがいを感じられ「頑張ろう」と思えました。
急性期の内科病棟の看護師の給料や年収はどれくらい?
わたしが働いていた急性期の内科病棟は、2交代制で夜勤は1か月4~5回です。
4週8休で1か月の給料は、手取り23万円でした。
ボーナスは、夏が1.1か月分、冬が1.5か月分ほどでした。
ボーナスは少ないと思います。
急性期の内科病棟の看護師の給料アップの秘訣は
認定看護師になると、その分手当が出るので給料アップを狙うなら認定看護師になることを検討した方が良いかもしれません。
急性期の内科病棟の看護師になるにはこちらの記事で現役の看護師さんが詳しくご紹介していますのでご覧ください。
🔗急性期の内科病棟の看護師になるには!必要な資格や難易度、仕事内容とは!
急性期の内科病棟の看護師の口コミや評判について
内科病棟ならどこにでもあります。
他の病院の内科病棟の口コミや評判を気にしたことはなかったですが、わたしが働いていた病院は地域密着型だったので、近隣に住んでいる住民の方からは「何かあったらすぐ診てもらえるから助かる」「看護師さんは感じがいい」と言ってもらえていました。
急性期の内科病棟の看護師はブラックが多い?
一緒に働く同僚によっても違ってくるかと思います。
わたしが働いていた病棟は同僚がみんな協力的でみんなでフォローし合う体制が整っていた病棟だったなと他の病院に勤めてみて実感しました。
給料に見合った業務内容かと言われると、見合っているとは言い切れないところもありますが「こんなもんかな」と思える程度でした。
急性期の内科病棟の看護師を辞めたい時の対策や乗り越える方法とは
辞めたいと思うことは多々ありました。
先輩看護師に注意されたとき、患者様に怒られたとき、ヒヤリハットを起こしたとき、色々ありました。
辞めたいと思ったときはまず同期に話を聞いてもらっていました。
同じ病棟に3人配属されたので、状況も分かるし共感してもらえます。
同期の存在は心強かったです。
また、ひたすら寝るのも効果がありました。
家に帰ったらとりあえず寝る。
起きたときにスッキリしていて、どうすれば良かったのか、辞めたいと思った原因を冷静に考えられるようになります。
気晴らしに買い物に出かけたり、外の空気を吸いに行くのも良かったです。
自分にとって気持ちが切り替えられる方法を見つけておくと乗り切れます。
急性期の内科病棟の将来性について
少子高齢化が進んでいる時代です。
核家族化や老老介護、介護する家族が遠方でできない、身寄りがないなど、高齢者が安心して暮らす、具合が悪くなれば診てもらえる急性期の内科病棟は、今後ますます必要になってくるのではないかと思います。
全国的に看護師不足も解消されていないので、労働環境の改善をしてほしいと思います。
わたしが働いていた病院であれば、受け入れる疾患の幅が広いので日々激務です。
診療科目の整理や、職員の増員ができれば、より患者様のことを考えた看護が実践できますし、看護師1人1人が離職することなく続けられる環境になるのではないかと思いました。
今後急性期の内科病棟での勤務を考えている人には、とてもやりがいがありますし看護師としての知識・技術向上ができる病棟だと思います。
今後更に必要性がある分野だと思うのでぜひ足を踏み入れてみてほしいと思いました。
急性期の内科病棟の看護師への転職で失敗しない会社の選び方やポイント
わたしが急性期の内科病棟を選んだのは、学生時代に卒業生が母校訪問で詳しい話を聞いたのがきっかけでした。
急性期の内科病棟で働きたいと具体的に思ったのではなく、先輩が働いている病院に興味が湧いたので見学・体験に行きました。
転職希望で問い合わせると、見学させてもらえる病院が多いと思います。
わたしは3か所の病院で働きましたが、いずれも面接前に院内の見学をさせていただきました。
面接の際は、自分が働くうえで重要視する部分はしっかり確認しておくと失敗しないですみます。
わたしが面接のときに聞いたのは…
1.主に携わることになる疾患
2.業務内容(病院によって清潔介助や体位交換は介護士がやるところもあります)
3.平均残業時間
4.有給取得率
この4つはどこの病院でも確認しています。
結婚して出産したあと面接にいった病院では、子どもの体調不良で当日欠勤があることを伝えておいたり、日曜日、祝日の勤務はできないなど自分の置かれている状況を素直に話しどういう形態であれば勤務が可能なのかを伝えます。
あれもできる、これもできると言ってしまうとアテにされていいように使われてしまうこともあるので、できないものはできないとはっきり伝えておくのも重要です。
急性期の内科病棟の看護師の志望動機の書き方や面接のポイントとは
面接の前に見学ができたり、ホームページを見れば病院の理念や雰囲気が分かるので、その時に自分が感じたことを素直に書きます。
わたしは「アットホームな雰囲気があって働きやすそうに感じたから」「働いている人がいきいきしているように見えたから」など書いてます。
面接ではまずハキハキ受け答えしておくと好印象です。
正直看護師という職業は、よっぽど倍率の高い病院だったり、条件が合わないことがないで限り不採用ということはないので、形だけの面接ということが多いです。
面接というよりは「いつから働けるか」「契約内容はこれでいいか」など今後のすり合わせのための面接というパターンばかりでした。
急性期の内科病棟の看護師はキツイ!でもその分やりがいはある。
急性期の内科病棟の看護師の働き方や給料についてまとめてきました。
ポイントはこちらです。
・急性期の内科病棟の看護師はキツイ
・給料は業務量に見合っているかは何とも言えない
・給料アップを狙うなら、認定看護師になるのが近道
・辞めたいと落ち込んだときは、自分なりの対策をして乗り越えよう
・志望動機は自分が感じたことをそのままに伝えよう
急性期の内科病棟はキツイことばかりですが、その分看護師としてのスキルアップできますし、患者様からの感謝の言葉に救われることもあり悪いことばかりではありません。
1度経験してみると、看護師としての視野が広がりますよ。この記事を読んで急性期の内科病棟の看護師の実態について参考にしてもらえると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。