わたしは、看護師として13年働いてきました。
そのうち内科病棟に3年勤務していました。
看護師になって最初に働き始めたのが、急性期の内科病棟でした。
これから急性期の内科病棟での勤務を検討しているあなたに、わたしの経験談を中心にお話していきます。
参考にしてくださいね。
急性期の内科病棟の看護師とは
急性期の内科病棟とは、手術を必要としない内臓の疾患を持つ患者様が入院する病棟です。
わたしが勤務していた病棟は、消化器・循環器・脳神経・内分泌・呼吸器など内科全般の疾患を持った患者様が入院されてきました。
急性期の内科病棟の看護師の仕事内容は
患者様の身の回りのお世話が中心です。
バイタルサイン測定・患者様の疾患の応じた観察は1日1回患者様全員に必ず行います。
医師の指示のもと、点滴や採血の準備・実施、内服薬の管理などをします。
必要な患者様には、陰部洗浄や清拭、入浴介助、オムツ交換をします。
吸引・経管栄養・人工呼吸器の管理・急変時の対応、医師が行う胸腔、腹腔穿刺の介助なども行います。
細かいことは挙げだすとキリがないくらい、やることはたくさんあります。
急性期の内科病棟の看護師の1日の仕事の流れは
日勤業務の場合
①夜勤者からの申し送り
②自分のその日の受け持ち患者様の状態を見て、優先順位を決めて朝の挨拶とバイタルサイン測定・状態観察に回る。
③点滴や注射、採血、軟膏塗布などの処置にまわる。一緒に清潔ケアも行う。
④お昼休憩
⑤午後のバイタルサイン測定、巡回、ナースコール対応
⑥午前中にできなかった処置などに回る
⑦夜勤者が出勤してくるまでに記録を終わらす
⑧夜勤者に申し送りをして、残りの業務が終わり次第退勤
大まかな1日の流れですが、緊急の入院が来た・急変があったなど予定外の出来事があって当然の毎日です。
朝自分が立てた計画通りに進むことはまずありません。
急性期の内科病棟の看護師に必要な資格や免許の難易度は
看護師免許があれば、特別必要な資格はありません。
患者層として認知症を患っている患者様も多いですし、褥瘡や表皮剥離を起こしやすいなどの皮膚トラブルも多いです。
認定看護師の資格を取るために研修に行く先輩看護師が何人かいました。
WOCや認知症認定看護師が多いように思います。
そのような認定看護師の資格を持っていればより患者様に寄り添った看護ができますし、病棟に1人認定看護師がいると、勉強会などを開いてくれて病棟看護師全体の底上げにもつながります。
わたしは当時実務経験が足りなかったので研修には行かれませんでしたが、認定看護師の話は勉強になるな!と思っていました。
こちらの記事では急性期の内科病棟の看護師の仕事のきつさや給料、年収をリアルに暴露していますのでご覧ください。
🔗急性期の内科病棟の看護師はきつい?給料や年収、実際の口コミや評判とは!
急性期の内科病棟のやりがいについて
わたしが働いていた病院は、2次指定病院の地域密着型の病院でした。
病床数40床の病棟が2つの合計80床とこじんまりした病院です。
外科病棟と、内科病棟に分かれていて、わたしは内科病棟に勤めていました。
内科といっても、呼吸器・消化器・脳神経・内分泌・泌尿器・循環器など様々な疾患の患者様が入院されます。
2次指定の病院なので、救急車はそれなりに入ってきていて、昼夜問わずベッドが空いていれば入院が入ってきます。
新人で入職した病院でしたが、勉強する疾患がたくさんあり、追いつかないくらいでした。
患者層は、独歩のしっかりしている方から、寝たきり・経管栄養の方まで幅広かったです。
日々の疾患に対する観察・処置はたくさんあり、注射類や医師が行う処置の介助、患者様の身の回りのお世話などやることは溢れるほどありました。
地域密着型の病院だったので、“日々新患”というよりは“同じ患者様が入退院を繰り返している”病院です。
病院・訪問看護・ヘルパー・往診医など各事業所が一体となって“患者様が最期まで自宅で過ごせる”環境が整っている地域でした。
そこで、わたしが1番やりがいを感じていたのは“自宅に帰りたい”と希望される患者様・ご家族の希望を叶えてあげられた時です。
印象に残っているのは、今回の入院でADLが下がり、介護が必要になってしまった患者様が“自宅に帰りたい”と話をされました。
何とかできないかと、医師・先輩看護師・メディカルソーシャルワーカーと連携し、介護保険認定調査から始まり、患者様が家に帰るのに必要なサービスは何か?
ご家族にはどんな指導が必要なのかを考え、各事業所の職員と会議を重ね、ご家族に指導を行い、試験外泊を繰り返して無事に退院できた時です。
どんな場面でもそうですが患者様からの「ありがとう」の笑顔をいただけることが、わたしのやりがいだと感じています。
急性期の内科病棟の看護師に向いている人向いていない人とは
急性期の内科病棟は、診療科目も多いですし様々な患者様が入院されます。
状態が落ち着いているときはのんびりした雰囲気で、患者様と散歩ができたりじっくり話を聞くことができます。
しかし、急変があったり連続して入院がくると業務量が増えますし、残業も増えます。
臨機応変に対応できる人は、急性期の内科病棟は向いていると思います。
また診療科目が多彩なので「どの分野がやりたいのか明確になっていない」「内科全般を一通り経験したい」という方にはオススメです。
急性期の内科病棟で様々な分野の疾患を持つ患者様に接することで「もっと脳神経を学びたい」「認知症について知識を深めたい」「終末期の看護について勉強したい」という思いで転職される先輩看護師がいました。
反対に「のんびり看護がしたい」「じっくり1人1人の患者様と向き合って仕事がしたい」と思われる方には忙しすぎるかもしれません。
「もっと急変時のことを勉強したい」「専門性のある看護がしたい」と思われる方には、物足りないと思われる分野かと思います。
わたしは内科病棟で、看護師としての技術を身に着けることができました。
しかし、例えば呼吸器についてのエキスパートかと言われれば至らない部分が多いですし、循環器に特化していて心電図もバッチリ読めます!というわけでもありません。
人工呼吸器の使い方や管理、観察項目が分かるレベルですし、心電図は異常な波形は分かりますが、勉強不足は否めません。
急性期の内科病棟の看護師になるまでの道のりや方法は
わたしが看護師人生をスタートしたのは急性期の内科病棟でした。
学生時代に卒業生が公演をしにきたときに詳しい話を聞いて興味を持ち、見学・体験に行きました。
実際の看護師の働く姿、業務内容を見て「わたしもここで働いてみたい」と思い入職を決意しました。
急性期の内科病棟だからではなく、病院自体に魅力を感じて入職した結果、配属先が急性期の内科病棟だったという流れです。
これまでの看護師人生で3か所の病院で勤務しましたが、急性期の内科病棟が1番自分が働きやすいと思った現場でした。
急性期の内科病棟は、看護師としての知識・技術を学ぶのに最適なところです!
急性期の内科病棟について、わたしの経験をお話してきました。
まとめはこちらです。
・診療科目が豊富で様々な疾患の知識、経験が得られる
・医療行為はもちろん清潔ケアや日常生活援助もあり、看護師としての技術向上が見込める
・どこの分野にいこうか悩んでいる方には、まず内科病棟で一通りの経験をすると自分がどの分野に向いているのか分かるかも
今まで経験したことのない分野にいくのは勇気がいりますし、これから看護師としての人生をスタートする方には特に不安もついてきますよね。
どこに行ってもまずは経験を積むことだと思います。
わたしは、自分の看護師人生が急性期の内科病棟がスタートだったことは良かったことだと思っています。
他の病院に行っても、急性期の内科病棟で得てきた知識・技術が役に立ちました。
この記事を参考にしていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。