新生児集中治療室をご存じでしょうか?
新生児集中治療室とは、早産児や低出生体重児、先天性疾患をもって生まれ赤ちゃんが入院するところです。
新生児集中治療室のある病院は少なく、働くイメージが湧きにくいですよね。
私は、新生児集中治療室で働いていた経験があります!
そんな私が、資格や仕事内容、辞めたい理由を、生の声でお届けします。
本稿を最後まで読めば、新生児集中治療室の看護師を目指すヒントになるでしょう!
新生児集中治療室の看護師の仕事内容や1日の流れとは
新生児集中治療室の看護師の仕事内容について
看護師の仕事内容は
・赤ちゃんの状態観察
・日常的なケア(授乳、オムツ交換、抱っこなど)
・医療的なケア(呼吸器、輸液、栄養の管理など)
・赤ちゃんの両親に対する心のケアや、育児の指導
の4つです。
これらについて詳しくお話します。
・赤ちゃんの状態観察
何か異変があっても、赤ちゃんは言葉で伝えてくれません。
いつもより心拍が高い。いつもより少し元気がない。
看護師はわずかな変化に気付くよう、観察します。
・日常的なケア(授乳、オムツ交換、抱っこなど)
別々で暮らす両親に代わり、赤ちゃんのお世話をします。
泣いている赤ちゃんを抱っこすることも、大切な仕事の1つです。
赤ちゃんのお世話をしている時は、とても癒されます。
・医療的なケア
自分の力で呼吸ができない赤ちゃんに、人工呼吸器で呼吸のサポートをし、ミルクを飲めない赤ちゃんには、点滴や経管チューブを使って栄養を与えます。
産まれたばかりの赤ちゃんは小さく・弱いため、細やかで丁寧なケアを必要とします。
・赤ちゃんの両親に対する心のケアや育児指導
以外と重要で難しいのが、両親との関わりです。
新生児集中治療室でのゴールは退院ではなく、退院した後の生活です。
家族が不安なく、退院後の生活を送れるようサポートします。
1日の流れ
新生児集中治療室の看護師の1日の流れです。
8:30~ 受け持ち患者の情報収集
8:45~ 朝礼
9:00~ 日常的なケア(授乳、オムツ交換、沐浴等)、医療的なケア(バイタルサイン測定、採血、浣腸等)
11:00~ 医療者カンファレンス
11:30~ or 12:30~ 昼食休憩(1時間休憩)
13:00~ 日常的なケア・医療的なケア・両親の面会対応(育児の指導など)
16:00~ 記録
17:15 退庁
1日の仕事内容と流れはこのようになっています。
新生児集中治療室の看護師に必要な資格や求められるスキルとは
新生児集中治療室の必要な資格は、看護師免許です。
助産師の免許は要らないの?と疑問に思うかもしれませんが、看護師免許さえあれば大丈夫です。
助産師の免許持っているけど、必要ないの?
いいえ、そんなことはありません。
助産師は母親の産後ケアについての知識を、豊富に持っています。
特におっぱいのケアをするとき、助産師が大活躍です。
求められるスキル
新生児集中治療室の看護師に求められるスキルは以下の項目に該当する人です。
・どんな小さな変化にも気付く観察眼
・精神力と体力のある人
・悲しむ両親を支える、コミュニケーション能力
・慌てない、冷静な判断力
の4つです。
これらについて詳しく解説します。
・どんな小さな変化にも気付く観察眼
赤ちゃんは、少しの異変から急変することがあります。
しかし、異変があっても赤ちゃんは言葉で伝えることが出来ません。
いつもより少し元気がない。
いつもより少し心拍が高い。
そんな小さな変化に気付く必要があります。
・精神力と体力のある人
小さな命を預かることの強い緊張感と責任があり、精神的な負担が大きいです。
忙しいときは座ることが出来ないときもあり、体力も使います。
新生児集中治療室の看護師は、強い精神力と体力が必要です。
・悲しむ両親を支える、コミュニケーション能力
両親、特に母親は自分のせいだと、責任を感じることがあります。
そんな両親の気持ちに寄り添い、サポートするコミュニケーション能力が必要です。
・慌てない、冷静な判断力
新生児集中治療室で入院している赤ちゃんは、急変しやすいです。
冷静に対応できるよう、日頃から急変時の対応をシミュレーションします。
新生児集中治療室の看護師のメリットデメリットについて
新生児集中治療室で働く看護師の仕事内容を踏まえたうえでお話します。
メリット
・小さな変化に気付く観察力を養える
・最新の医療機器を扱うことが出来る
・可愛い赤ちゃんに癒される
・赤ちゃんの成長を感じることが出来る
・赤ちゃんの両親から感謝をしてもらえる
この5つがメリットです。
新生児集中治療室では、産まれた時より元気になって退院する赤ちゃんが多いです。
赤ちゃんが元気になっていくところや、それを見て喜ぶ両親の姿には、本当にやりがいを感じます。
退院の日、嬉しそうに赤ちゃんを抱っこする両親の姿に何度も心を打たれました。
デメリット
・赤ちゃんの小さな変化にも気が付く必要があり、常に緊張感がある
・常々、新しい医療機器が導入される為、勉強し続ける必要がある
・新生児集中治療室での知識や技術は、他の科で使えないことが多い
・時には、悲しい結果になることも。赤ちゃんの両親に対する精神的なケアが難しい
この4つがデメリットです。
新生児集中治療室では、常に命と向き合う緊張感と責任があります。
病気を持って生まれた赤ちゃんの両親に対する、心のサポートはとても難しいです。
また、新生児集中治療室での知識や技術は、特別なものが多いです。
その為、新生児集中治療室以外の科で働く場合、一から勉強や技術の習得が必要になります。
新生児集中治療室の看護師の仕事はきつい?
正直、新生児集中治療室の看護師の仕事はきついです。
なぜなら、命を預かる責任が非常に重いからです。
異変に気付けなかったら、急変があったらどうしよう、と常に緊張感と責任感をもって、仕事をしています。
夜勤があったり残業があったり、体力面にもきついところがあります。
新生児集中治療室の看護師の給料や面接のポイントなどはこちらの記事で詳しくまとめていますのでご覧ください。
🔗新生児集中治療室の看護師の給料はどれくらい?仕事の役割や面接のポイントとは!
新生児集中治療室の看護師に向いている人、向いていない人とは
新生児集中治療室の看護師に向いている人はこのような人です。
・赤ちゃんが好きな人
・コミュニケーション能力がある人
・緊急時に冷静な判断が出来る人
・常に学び続ける意欲のある人
この4点について詳しく解説します。
・赤ちゃんが好きな人
赤ちゃんのお世話は想像しているより大変です。
泣き続けている赤ちゃんに、困惑することもしばしば。
赤ちゃんが好きな人が、新生児集中治療室の看護師に向いているでしょう。
・コミュニケーション能力がある人
両親の精神的なサポートは必須です。
また、他職種との関わりも多く、様々な人とのコミュニケーションを必要とします。
・緊急時に冷静な判断が出来る人
新生児集中治療室では、状態の急変しやすい赤ちゃんが入院しています。
慌てない、冷静な対応が必要となります。
・常に学び続ける意欲のある人
新生児集中治療室では、日々新しい医療機器が導入されます。
覚えたら、また新しいものを…常に学び続けます。
新生児集中治療室の看護師を体験した実際の口コミや評判
良い口コミ、評判
・赤ちゃんが可愛い、癒される
・元気になって退院、うれしい
・自分が関わっていた赤ちゃんが元気になって退院、やりがいがある
・暗かった両親の顔が明るくなった
・両親に「ありがとう」と言ってもらえた
・退院した子が、会いにきてくれ元気に成長している、すごい
悪い口コミ、評判
・責任が重い
・両親とのコミュニケーションが難しい
・働く看護師の雰囲気がピリピリしいている
・新しい医療機器が入ってきた場合、一から覚えなおさないといけない
新生児集中治療室の看護師のストレスや辞めたい理由とは
新生児集中治療室の看護師は、命を預かる強い緊張と責任を感じながら働きます。
忙しいときには、座れないときもあり、夜勤勤務もあるため、生活が不規則になりがちです。
精神的にも、体力的にもストレスを感じる仕事でしょう。
辞めたい理由として多いのは…
・責任が重く、精神的に疲れてしまう
・夜勤があり不規則な生活、体力面で仕事を続けることが難しい
・ピリピリとした人間関係で続けられない
・結婚、妊娠、育児のため
・新生児ではなく、成人看護の勉強がしたい
などが挙げられます。
新生児看護だけでなく成人看護の勉強もしたいと、違う科や病院に行く看護師も多くいます。
特に看護師3,4年目の人が多い印象です。
辞める人もいますが、長く新生児集中治療室の看護師をしている人もいます。
入院している赤ちゃんが元気になっていく姿や、それを喜ぶ両親の表情に大きな喜びを感じることができます。
まとめ
新生児集中治療室で働く看護師の、資格や仕事内容、辞めたい理由を、生の声でお伝えしました。
働くイメージが少しでも湧いたでしょうか。
新生児集中治療室の看護師は、大切な赤ちゃんを預かる為、強い緊張感と大きな責任がある大変な仕事です。
その反面、赤ちゃんの成長に関われる、とてもやりがいのある仕事でもあります。
私自身、赤ちゃんが元気になって退院する姿に、新生児集中治療室の看護師をやっていて良かったと感じます。
興味のある方はぜひ、新生児集中治療室の看護師を目指してください。