この記事では、医療機器の営業を仕事にしていた私の経験をもとにお話しをしていきます。
循環器系の領域は、血液を全身に送るポンプの役割をしている心臓をターゲットにしていますので、重要度は非常に高い領域です。
そのためペースメーカーの営業というのは、医療機器の営業の中でもシビアな仕事内容が求められる反面、待遇は最上級クラスです。
今回はペースメーカーの営業の仕事内容や必要な資格に加えて、向いている人やストレスに感じることなどについてお伝えします。
この記事を読めば営業マンが普段どのように活動しているか、どういう人が向いているのかという事が分かります。
医療機器(ペースメーカー)の営業の仕事内容や1日の流れ
まず仕事の内容ですが、簡単に分けると以下のようになります。
・医師への営業活動
・手術の立ち合い
・手術で使う部品の準備
・外来で患者様に入っている機器の動作確認
が主な業務内容です。
1日の流れは本当にバラバラで、手術の入るタイミングで決まります。
朝の6時からスタートすると言われれば、6時までに出向かないといけません。
その逆の夜中まで手術が難航する場合もあるので、自分を優先して予定を立てるということはまずありません。
また、基本的に直行直帰のスタイルの企業がほとんどで、出社する時は手術で使う部品を会社に取りに行く時くらいです。
そのため手術の予定がなければ、比較的自由度の高い職種だと思います。
医療機器(ペースメーカー)の営業に必要な資格や求められるスキルとは
求められるスキルや必要な資格について説明をします。
まず必要なスキルは個人的には2つしかないと思っています。
『コミュニケーション能力』『臨機応変に焦らず対応できる』この2つです。
もちろん商品知識は非常に大事ですが、いくら知識をつけても手術の現場で冷静沈着に医師へ臨機応変にアドバイス出来るかの方がもっと大切です。
手術中や患者様と接することも多い職業なので、医療従事者同様にコミュニケーション能力が求められます。
また必要な資格についてですが、入社時には特別な資格等は必要ありませんが、入社後日本不整脈学会が認定するCDR(Cardiac Device Representative)という認定試験を受ける必要があります。
この資格がないと医師や医療従事者に対して情報提供や営業活動ができません。
そのためこの試験に受からないという状態が続くと、クビです。
本当にクビになるので気を引き締めて試験に臨む必要があります。
その他は、普通自動車の免許があれば何の問題もありません。
医療機器の営業の仕事のメリットデメリットについて
医療機器の営業と言っても色々ありますが、10年以上この業界にいる私から一般的なメリットとデメリットについて説明をしたいと思います。
まずメリットについてですが大きく分けて2つあります。
メリット
①人の生命に関わる事業なので景気に左右されにくい
②比較的給料体系が高い
デメリット
①専門知識を身につけるため、常に勉強する必要がある
②業種によって土日の業務が多い
特に開業医を担当している場合、土日に呼び出される事が非常に多いです。
医療機器の営業と聞くと印象はよく捉えられる事が多いですが、これらのメリットとデメリットをしっかりと把握して仕事を選びましょう。
医療機器(ペースメーカー)の営業の仕事はきつい?
これからペースメーカーの営業になりたいと考えている方にとって、激務かどうかという点も気になりますよね?
基本的には激務と思った方がいいでしょう。
なぜなら日によって手術が2−3件入り、10時間以上も立ちっぱなしと言うことは頻繁にあります。
緊張しながらの10時間は想像以上にキツイです。
またノルマも非常に厳しいので、自分のペースでのんびりしていると目標を達成できなくなり会社から「君はもうやめた方がいいと思う」と本当に言われます。
ただいわゆるブラック企業のような、サービス残業は多いけど給料は少ないみたいなことはありませんので、その点は安心して下さい。
医療機器(ペースメーカー)の営業に向いている人、向いていない人とは
この仕事は医療機器の営業職の中でも向いている人とそうでない人がハッキリ分かれる仕事です。
仕事内容が特殊なのがハッキリ分かれる要因なのかもしれません。
まず大前提として血液を見ると気持ち悪くなったりする人は絶対に無理です。
この大前提を踏まえた上で話をすると、
・体力がある人
・メンタルが強い人
・勉強熱心な人
このような人が向いていると思います。
入社後はずっと勉強しなければいけませんし、最初のうちは医師や看護師、患者様からお怒りを受けることが頻繁にあります。
どんなに落ち込んでも手術をしている医師にアドバイスを行い、患者様の機器の状態を確認しなければいけませんので、毎回落ち込んでいては心がもちません。
加えて、勉強が嫌いという人はやめた方がいいでしょう。
入社後は頻繁に試験や模擬テスト、実地試験などをクリアしていかないといけないので、勉強が嫌いというのは入社しても苦痛でしかないと思います。
医療機器(ペースメーカー)の営業のコツとは
普通の営業職と決定的に違うのが、手術に立ち合い本当に緊迫した状況の中自分の意見を言わないといけないということです。
いくら営業スキルが高くても、手術中にビクビクして医師に対して意見したり提案したりできなければ信頼を獲得することはできません。
患者様が不利益を被ると思われる状況の場合は、出入り禁止になろうが会社をクビになろうが覚悟を決めて医師に対して「それは違う」と言わなければいけません。
商品を売るための営業スキルというよりも、まずは現場に慣れ商品のことをしっかり理解し、冷静に対応できる方がこの業界の場合だとうまくいきます。
どちらかと言うと営業職でありながら、技術職の側面も併せ持った仕事と言えるでしょう。
ペースメーカーの営業マンの年収や面接のポイント、モテるって本当なのかなどの情報はこちらの記事で詳しくまとめていますのでぜひご覧ください。
🔗医療機器(ペースメーカー)の営業はモテる?気になる年収や中途採用、面接のポイント/まとめ
医療機器(ペースメーカー)の営業のストレスや辞めたい理由とは
この業界は緊急性の高い心臓をターゲットにしていますので、患者様の容体や体調の変化に伴って病院からすぐ来て欲しいと連絡が入る事があります。
土日祝日、昼夜問わず連絡がありますので気が休まる時間がありません。
仮に夜自宅で飲酒をしているところに病院から連絡があった場合、他のメンバーに連絡してお願いをしなければいけません。
ある程度経験を積んで後輩がたくさんいると言う状況であれば頼みやすいと思いますが、
一番社歴が短い状態だと本当に頼みにくいです。
元旦やお盆も一切関係なく連絡がありますので、携帯は肌身離さず持っておかないといけません。
これは結構なストレスです。
まとめ
この仕事は給料が非常に高い分、求められることも高く拘束時間も多いですが患者様が元気になっていく姿を見る事ができるという、何にも変え難いやりがいがあります。
業務内容が特殊な分、向き不向きはありますが、向上心を常に持ち自分から学びにいくと言う姿勢があれば、成果を出せる仕事だと思いますので、興味があると言う方はぜひチャレンジしてみて下さい。