日本の焼き鳥業界をけん引する企業、鳥貴族に関する仕事を丸裸にする記事です。
15年近く鳥貴族のフランチャイズ企業に勤めていた経験から「トリキの仕事って実際のとこどうなの?!」と気になるところを中心に解説していこうと思います。
これを読めばあなたにも焼き鳥屋勤務の経験が手に入ります。
ただし、コロナウイルスが蔓延する前の話が中心です。
コロナ後の状況については予想も入りますのでご注意ください。
まあ、当時より経営環境が厳しくなっていることは言うまでもないと思いますが…。
本題へ移る前に「フランチャイズ」のことを説明しておきます。
フランチャイズとは、株式会社鳥貴族(以下、本部と記載)から暖簾を借りて運営している選ばれた会社のことです。
フランチャイズ企業と本部とでは、会社が違うので給与や休み、その他の働く条件が違います。
しかし、店舗で行う業務はまったく同じです。
今回のお話は、あくまでも私の勤めたフランチャイズ企業の内容であるということで、読み進めてください。
それでは早速、仕事のあれこれについてお話していきましょう。
鳥貴族正社員の仕事内容や1日の流れについて
では、簡単に1日の流れを説明します。
16:00 店舗へ直接出勤、開店準備
17:00 開店、店舗業務(混雑具合を見ながら休憩)
24:00 翌日の発注
25:00 閉店
25:30 締め(終われば退勤)
ここに書いていませんが、お店の仕事は10:00から始まっています。
この時間では、その日の串打ち(鶏肉を串にさす作業)や仕込みがあります。
もちろん社員がやる訳ではありません。
パートスタッフさんが数人でやってくれています。
また、この工程で開店準備もやっているので、社員の勤務開始時間が開店1時間前でも大丈夫なんですよね。
ところが、繁華街のお店や仕込みスタッフの採用が難しい地域では、朝のこの作業を社員が手伝う場合があります。
当然そうなると、勤務時間は長くなっていきます。
私が勤めた会社でいうと、この作業を統括する社員がいたので頻繁に手伝うことはありませんでした。
もちろん、繁忙期や年末年始は除きます。
他にも、かなり大雑把に書いた開店後の業務は、接客・焼き鳥を焼く・飲み物を作るなどです。
営業後半まではこの繰り返しになるので詳しく書いていません。
この各作業ですが、かなり効率化されたものばかりなので難易度は高くありません。
鳥貴族正社員に必要な資格や条件は
次に、この仕事をするために必要なことや資格などについて説明します。
まず、必要な資格は「衛生管理責任者」と「防火管理責任者」です。
しかし、これらは店長をする時に必要なもので、すぐにいるものではありません。
それに、必要な時期が来れば会社のお金で、勤務時間内に資格取得できます。
結論、取り急ぎ必要なものはなし!ということです。
ただ、社員として気を付けなければいけない条件はあります。
それは次の3つです。
①清潔感
現場ではとにかく衛生管理が徹底されています。
だらしない服装や無精髭はダメ。
加えて、接客業ですので第一印象で減点されるような不潔さや人を不快にさせる癖がない様にしないといけません。
②人あたりの良さ
接客で重要になるのはもちろん、アルバイトスタッフに受け入れられるためにも重要です。
言動が気持ち悪い、こだわりが強すぎる、若者を極端に毛嫌いするなど、クセが強すぎて総スカンをくらう様な人にお店は任せられませんからね。
③協調性
②で書いた様なことに加え、社員間でも持ちつ持たれつな場面があります。
なので協調性があるに越したことはありません。
スムーズに仕事を進められます。
以上、3つはあくまでプラスαな要件ですので、ここでの結論は「社員に必須の要件はない」です。
学歴フィルターもありません!
実際、私の働いていた会社では中卒のアルバイトを社員に迎え入れることが数回ありました。
現在は少しハードルが上がっているかもしれませんね。
年々店舗数が増え、本部も上場しています。私がいた頃でも、統一の業務基準や店長としての水準も高まっていました。
もしかすると、ある程度の地頭が必要になってくるかもしれません。
鳥貴族正社員は正直きつい?
先にも書いたとおり、店舗業務は日増しに合理化されています。
どんどん作業の難易度は下がり、身体的な負担は減っています。
ですから、夜型の仕事という点を除けばまったくキツくありません。
しかし、進歩する中で新たに出てきたキツさがあります。
その1つは、事務作業。
次に研修や会議。
そして、業績への責任です。
事務作業とは、シフトを作ったり、ミーティングの準備をしたり、社員会議で使う業績資料をまとめたりする作業を指します。
これだけに集中できればなんらキツい作業ではありません。
ところが、お店の運営をしながら同時進行でやらないといけないのでキツいのです。
もちろん、うまくできなければ時間外にやる羽目になります。
研修や会議も同じです。
店舗が開店していない時間帯に行うため、働く時間がその分長くなるのでキツい。
最後の業績に関しては、プレッシャーによる精神的負担がキツいという話です。
ぶっちゃけ、売上が長年取れていないバスレの様なお店はあります。
そんなところに配属されてしまうと、それだけで無駄なプレッシャーを感じないといけないですからね。
さらに、そんな状況下でできることは多くありません。本部が決める範囲でしか売上改善の施策は打てません。
こんなどうしようもない感じで辛さは倍増です。
鳥貴族正社員の給料や年収はいくら?
長い時間働くのであれば、その分高収入なのでは?と思われがちです。
この給与については会社によって違いがあります。
フランチャイズ、本部の給与を平均して月給25~30万くらいでしょうか。
結構ある!と思われるかもしれませんが、固定残業代がたっぷりついての金額なのでそれを除けば高くはありませんよ。
私がいた会社では、平社員で26万円。
店長職で28万円くらいだったと思います。
しかし、常に店長の枠は不足していたので、平社員と言っても、店舗に社員がその人だけという店もありました。
そうなると、その人が店長の様なものです。
やっていることは自然と店長的、でも給与は…。
その辺りは不満の多いところではありましたね。
ちなみに、店長以上の役職は、複数店舗を統括するマネジャーや、本社勤務、指導の専門職などがあります。
鳥貴族正社員に向いてる人向いていない人は
酔ったお客さんが相手なので過酷な状況もある仕事ですが、仕事を楽しんでいる人が多かったように思います。
そんな中でも、あまり深く考え過ぎず、スタッフと一緒に仕事することがとにかく楽しいという人がたくさんいました。
このことから考えると、細かいことに目がいってしまい、気になって仕方がなくなる人には向いていないと思います。
また、事務作業や業績分析がしたくてやる仕事でもありません。
なぜなら、常に店舗運営をしながら事務作業をしなくてはならないので、これがストレスになるのです。
何をするにしてもメイン業務は店舗運営と実際の作業だということは覚えておくといいと思います。
店舗業務が得意、やりたいという方には向いているでしょう。
アルバイトスタッフを束ねてチームで仕事がしたい、という人にもうってつけです。
常に人材不足の業界なので、入職していから店舗の責任者までは早いと思いますよ。
鳥貴族正社員の実際の口コミや評判とは
ここまでにもたくさんのぶっちゃけ話を書いたので、ここでは鳥貴族で働く人の雰囲気についてお話しようと思います。
元々は職人気質な人が幅を利かせていた業界だけに、割と体育会系な人が多いです。
しかし、今や一部上場の大企業。
10店舗くらいしか運営していない飲食店特有のイケイケ感たっぷりというような極端さではありません。
本部の上場に伴い、ビジネスマン感を持った人が流れ込み、中和されつつある「ゆるめな体育会系」です。
中には、この変化についていけていない街の焼き鳥屋の大将みたいな人もいるので、大企業をイメージし過ぎるとがっかりします。
お気をつけ下さい。
鳥貴族の仕事は楽しい!楽しいが…
私もこの仕事が好きで19歳から33歳まで続けることができました。
しかし、現在はコロナウイルスの真っ最中。
鳥貴族に限らず、居酒屋業態では壊滅的な打撃をうけています。
どんなに魅力のある仕事でも売上が立たなければどうしようもありません。
本部としても居酒屋一本の経営から、ハンバーガー業態をオープンさせ、何とか別の事業を作ろうとしているようです。
これだけ書いておいて最後に落とすようですが、2021年10月時点では時短営業。
この状況では、採用活動もストップしていることでしょう。
一刻も早くコロナウイルス収束を願い、通常営業の再開を待ちたいものです。