男性看護師は少しずつ増加してきていますが、それでもまだ活躍の場が限定されています。
看護現場は女性の現場と昔から言われていますが、男性看護師が看護の現場で活躍することも看護師不足が叫ばれる現在ではとても重要なのです。
そこで今回は、男性看護師の必要性や女性看護師からみたメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。
これから現場に出ていく男性看護師の一助となれば幸いです。
女性看護師から見た男性看護師のメリットは?
看護現場では、ほとんどが女性の看護師です。
平成30年の衛生行政報告例では、2018年の看護師の男女比は男性7.8%、女性92.2%とされています。
けれど、少しずつ看護師になりたいという男性は増えてきているのは事実です。
女性看護師からみた男性看護師のメリットについて考えていきましょう。
一番は安定した体力にあるのではないでしょうか。
認知症や病気で寝たきりの患者さんの入浴介助や寝衣交換、移動など、看護の現場で力を使う場面がたくさんあります。
体力がないとできない仕事でもあるのです。
訪問看護などでは、男性看護師がいないために男性のヘルパーをやとっていることもあるそうです。
次に男性ならではの雰囲気が関係しています。
看護の現場は女性が多いため、ミスをねちねち責めたり、陰口をたたいたり、女性ならではの雰囲気があります。
男性看護師がひとりでもいるとそのような雰囲気が一掃され、空気が和らぐのです。
男性看護師の方が話しやすいという患者さんがいるのも事実です。
さらに、男性の論理的思考が看護の現場で役に立つことがあります。
効率よく看護計画を作成したり、論理的に評価をしたり、さらには研究の場面でも役に立つでしょう。
女性は感情で動くことが多いため、お互いを補うことができればいいですね。
部署によっても重宝されると思います。
例えば小児科であれば子どもから頼れるお兄さんとして親しまれることがありそうです。
精神科での患者さんの対応も男性ならではの看護が出来るのではないでしょうか。
女性看護師から見た男性看護師のデメリットは?
男性看護師のデメリットとしてはやはり女性患者への対応ではないでしょうか。
男性患者さんは、女性看護師に対応してもらうのを快く感じることもあるかもしれませんが、女性患者さんは、男性看護師が対応することをあまりよく思わない方もいらっしゃいます。
特にプライベートゾーンの清拭などは、いくら患者といえど男性看護師には見せたくない場所でしょう。
女性生殖器疾患の場合や妊娠・出産などは女性しか経験できないため、男性看護師には共感できることが少ないです。
そのような現場での男性看護師の対応は違和感を覚えることが多いでしょう。
また活躍できる現場も少し減ってきます。
いくら赤ちゃんが好きといっても、男性看護師は助産師にはなれませんし、産婦人科に配属になることはありません。
そういう意味では少し看護においての選択肢の幅が狭まってしまうことは致し方ないかもしれませんね。
男性看護師との仕事はやりにくい?
女性が多い現場で頑張って男性看護師が働いているのですからそこは認める必要があります。
こちらが仕事をやりづらいと思ってしまえば、もちろん相手も同じ気持ちになり、お互い切磋琢磨しあいながらいい看護は成立しません。
男性、女性ではなく、あくまでもいち看護師として、対等に接していく必要があると思いますし、仕事上そうする必要があります。
男性看護師にはデメリットをメリットに変えてしまうパワーがありますので、十分に看護の現場で役に立ってくれています。
同じ看護師としてしっかりお互いを認め、患者さんのためにいい看護が行えるようにしましょう。
男性看護師と恋愛ってある?
もちろん男性看護師との恋愛はあります。
一緒に働いていると思わぬところでドキッとする場面が訪れます。
例えばモンスターペイシェントの対応をしてもらった時や、仕事を手伝ってくれた時、悩んでいる時に的確なアドバイスをくれたりなどした時です。
同僚として接する機会が多いですので、恋愛対象となるのは仕方のないことでしょう。
お互い高収入ですし、夜勤などの大変さも理解できているわけですから一生のパートナーになるにはいいかもしれませんね。
ぶっちゃけ男性看護師は必要?
ぶっちゃけていうと、男性看護師は必要です。
ただし、部署などを限定して、ですが。
産婦人科などは女性の領域、特に出産の現場は聖の領域だと私は感じていますので、男性看護師は必要ありません。
それよりももっと自分の力をいかせそうな現場、そして研究現場でもっと男性看護師が活躍してほしいと思います。
ひとりでも男性看護師がいると、雰囲気が和らぎますので、一部署にひとり、ふたりくらいは欲しいところですね。
男性看護師の将来性は
まだ女性の職業として根強い看護師業界ですが、男性看護師の活躍も次第にふえつつあります。
男性看護師の勤務領域は、内科、整形外科が多く、手術室、集中治療室、外科、精神科病棟など幅が広がりつつあります。
男性が女性の中で肩身の狭い思いをしないようにするために、「各部署での男性看護師の複数名の配置の推奨」「夜勤での1名以上の男性看護師配置の推奨」「育児休業の推奨」が整いつつあります。
患者やその家族から受け入れられがたい母性、産婦人科領域を除いてすべての科で男性看護師の活躍が望まれています。
お互いを認め合い質の高い看護の提供を!
男性看護師、女性看護師ではなく、お互いを認め合い、切磋琢磨しあうことで、質の高い看護を提供することができます。
男性看護師は謙遜しすぎず、自分の個性をしっかりだし、看護の現場で活躍してほしいと思います。