私の経験したホテルのフロント業務について体験談を交えて率直に書いていきます。
私の勤めた会社ではリゾートホテルもビジネスホテルも経営しており、両方でフロント業務をしましたが、より長く経験したビジネスホテルのフロントについてお伝えします。
ホテルのフロントはどんな仕事をしているのか、どんなスキルや特技があるといいのかなど私が感じたままにお教えできたらと思います。
ホテルのフロントの仕事内容や1日の流れ
チェックアウト
ホテルの朝はお客様をお見送りするところから始まります。
基本的にビジネスホテルではチェックインの際に精算してもらうので、チェックアウトの際はお客様から鍵を返してもらい、領収書を渡す作業になります。
チェックアウトの確認と清掃指示
チェックアウトの時間までにお部屋を出ていないお客様の確認をします。
時間を過ぎてもお部屋から出てこない場合は、内線をして延長するのかどうか確認するのと同時にチェックアウトを促します。
そして、すでにチェックアウトの済んでいるお部屋は清掃さんに掃除に入ってもらうので、空いているお部屋を清掃さんに伝え清掃してもらいます。
ホテルの清掃は時間との勝負なので、なかなかお部屋から出てこないお客様がいると清掃さんに催促されます。
フロント周りの清掃やチェックインの準備
私の勤めていたホテルでは、ロビーにコーヒーメーカーがあったので、コーヒーメーカーの清掃やフロントデスクの拭き掃除など簡単な掃除をします。
チェックインの準備はカードキーの設定やチェックインされるお客様のプランの確認をして渡すものがあれば準備をしておきます。
例えば…クオカード付きのプランなら予約カードにクオカードを一緒に付けておき渡し忘れないようにします。
チェックイン
ビジネスホテルだと基本的に15時からチェックインが始まります。
15時以降はチェックイン業務が主な作業になり、チェックイン業務をしながらお客様からの要望にお応えします。
翌日の予約の確認
次の日にチェックインされるお客様の漏れがないか、泊数、部屋タイプ、どんなプランがあるのかなど一人ひとり確認していきます。
1日の流れはこんな感じですが、書いた主な業務をこなしながら予約処理や電話対応、レジ金の確認なども行います。
ただホテルではシフト制なので、1人の人が1日でこの業務を全てするわけではありません。
午後から出勤する場合はチェックアウトはしませんし、逆に朝から出勤する場合はチェックインをあまりしないことになります。
また夜勤になるとお客様との関りは減ります。
出勤の時間によって、行う業務は少しずつ変わってきます。
ホテルのフロントに必要な資格や求められるスキルとは
私の場合、ホテルのフロントを行う上で特に必要な資格などはなかったです。
なぜなら私自身、大学では福祉学部に所属していてホテルや観光業については何一つ勉強していませんでした。
ですが、普通に働けました。
ただ、英語のスキルはあって困らないと思います。
実際、外国人のお客様は来ますし、外国から電話をしてくるお客様もいました。
私の場合は最低限の英単語を駆使して乗り越えていましたが、英語を話せて損することはありません。
ホテルのフロント業務についてのメリットやデメリットとは
メリット
・たくさんのお客様に会うので対応力は高くなる
私自身そんなに社交的なタイプではないですが、仕事でコミュニケーション能力は高くなったと自分で感じます。
・シフト制で休みたい時に休みが取りやすい
あらかじめ休み希望を出しておけば希望通りに休むを取ることはできました。
急遽の休み希望はなかなか難しいものがありましたが、これはどの仕事でも言える事ですよね。
・遅い時間の勤務は夜間割増で給料がアップしやすい
これも他の仕事にも共通して言える事ですが。22時を過ぎると深夜勤務の時間帯として少し高くなります。
デメリット
・勤務時間がさまざまで不規則になりがち
毎日同じ時間のシフトとはいかないので、生活サイクルが不規則になってしまいます。
・友人との休みが合わない
土日が休みの仕事ではないため、土日休みの友達などとなかなか予定が合わず会う機会が少ないです。
実際に働いていた時も友達と全然会えませんでした。
・理不尽なクレームを受けることも多い
接客業なので、いろんなお客様がいることは重々承知していますが。酷い罵声を浴びせられることもありました。
サービス業なので、そういった言いがかりに耐えることがかなりのストレスになります。
ホテルのフロントの仕事はきつい?
これは私の凄く個人的な意見になってしまいますが、そこまで仕事はきついと思ったことはなかったです。
私の中で比べる仕事が福祉だったということもあります。
唯一きついなと思った時は、シフトが遅番ばかりで毎日のように残業し夜中の2時3時に帰ることが多かった時はきつかったです。
一気に人が辞めて人材不足ということもありました。
ホテルのフロントに向いている人、向いていない人とは
フロントのような接客業だとコミュニケーション能力が高い人の方が向いていると思うかもしれませんが、そんなこともないと感じました。
私自身どちらかといえばコミュニケーション能力は低いほうです。
でも仕事だと思うとなんだかんだできるものです。
私は視野が広い人や思いやりがある人、相手の立場に立って物事を考えられる人が向いていると思います。
ホテルではお客様が何か困っていることはないか、お客様はこういうサービスがあれば快適に過ごせるのではないかとお客様のことを考えて仕事をします。
なので、逆にお客様のことを考えられない人は向いていないと思います。
ホテルのフロントを体験した実際の口コミや評判
実際に私がホテルのフロントとして働いてみて、率直に一言でいうと「楽しかった」です。
ただ、やりがいがあったかといわれると分かりません。
勤めていた時に中学生の職業体験を担当したことがありました。
その時、「やりがいはどんな時に感じますか?」という質問を受けました。
定番の質問ですよね。
その時私は「お客様に『ありがとう』と言われた時かな」と返しました。
これもまた定番ですね。
でもそれは、とりあえずそう言っただけで実際そうは思っていませんでした。
仕事を辞めた今でもやりがいはあったのか謎です。
それでも、仕事は楽しかったです。
一緒に働いている人たちがみんな優しい人たちだったのもあると思います。
それにホテルにいるといろんな人と出会えます。
赤ちゃん、子ども、ビジネスマン、キャリアウーマン、おじいさん、おばあさん、外国人など。
これだけじゃありません。
仕事が忙しそうな人、凄く紳士的な人、ちょっとピリピリしてるなっていう人、ノリのいい外国人、はたまた物静かな外国人など一人ひとり違うので普通に生活していたら出会えないような人たちに出会えて楽しかったです。
ホテルのフロントの給料や年収、面接のポイントなどの説明はこちらの記事で詳しくまとめていますのでぜひご覧ください。
🔗ホテルのフロントの給料は安い?英語や中国語は必要?面接のポイントとは!
ホテルのフロントのストレスや辞めたい理由とは
フロントをしていてのストレスは、やはりクレーマーのお客様に出会った時です。
理不尽な要求をされたり、罵声を浴びせられた時もありました。
私も実際にお客様に「脳みそすくねんじゃねーの」と怒鳴られたことがあります。
こちら側が100%正しくても怒られることなんて多々あります。
悪くないのに怒られるとそれはストレス溜まりますよね。
でも、慣れは怖いものでクレーマーの人達に慣れていきます。
怒鳴られたその時は怖いと思っていても、終わってしまえば普通に同僚に愚痴っていました。
受け流すというのも必要なスキルかもしれません。
実際働いているとき私は口癖のように「辞めたい~」とよく言っていました。
仲の良かった同僚にも「またすぐ辞めるって言う~」なんて言われて笑っていました。
実際辞めたいと思ったのはシフトが遅番ばかりで残業三昧帰りは毎日のように深夜の2時3時なんて日が続いた時はさすがに本気で辞めたいと思いました。
実際辞めるきっかけになったのも結婚してこの生活は続けられないと思ったからです。
まとめ
いろいろ書きましたが、これは私の経験であり個人的な感想です。
フロント業務の1日の流れにしても、恐らくホテルによって様々なやり方があると思います。
クレーマーに出会って心が折れてしまう人もいると思います。
なので、こんな感じなんだなと軽い気持ちで受けとってもらえると嬉しいです。